カラダの正しい使い方を教えてくれる相棒。メガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」とは?
スマートフォンの普及とともに、最近は健康管理や運動に役立つウェアラブルデバイスも増えてきました。ウェアラブルデバイスとは、身体に装着して使用する機器のこと。上手く活用することで、運動がもっと楽しくなったり、能力向上を効率的に目指せたりというメリットがあります。
今回はそんな中から、メガネ型デバイス「JINS MEME」をご紹介しましょう。いったいどんな機能があり、運動に対してどのような効果が期待できるのか。実際に使用したレポートを踏まえつつ見ていきます。
「JINS MEME」って、どんなデバイス?
アイウェアブランド「JINS」は、これまで店舗などで見たことのある方も多いでしょう。この「JINS MEME」も同じブランドに属し、一見するとサングラスのようなメガネ型のウェアラブルデバイス。「ES」と「MT」という2つのモデルがあり、価格や機能、対応アプリ等に違いがあります。今回はスポーツ向けに開発された「JINS MEME MT」を取り上げ、その特徴や活用方法などについてご紹介します。
スポーツ向けに開発されたサングラスタイプの「JINS MEME MT」(Instagramより)
メガネですから、当然ながら顔に掛けて使用するデバイスです。レンズは度付き・度なしのほか、クリアタイプとミラーグレータイプが選べます。ただし度付きは10,000円、クリアレンズは2,000円がそれぞれ税別でプラス料金となるので、ご注意ください。
この「JINS MEME MT」には、「3軸加速度センサー」、「3軸ジャイロセンサー」という2つのセンサーが内蔵。スマートフォンやタブレット端末と接続することで、センサーによって得られた情報をもとにデバイス装着時の “動き”を可視化します。実際に可視化できるデータ内容については、追って取り上げますのでお楽しみに。
デバイスはマイクロUSBケーブルでの接続に対応しており、付属のケーブルで充電が可能。2時間ほどの充電で、最大24時間の稼働となっています。そのため、マラソンのような長時間におよぶスポーツでも、一度の充電で十分に対応できるでしょう。
可視化できるデータとその活用例
それではいったい、この「JINS MEME MT」でどのようなデータを可視化できるのでしょうか。ここでまず取り上げておきたいのが、付随する専用スマートフォンアプリ『JINS MEME RUN』の存在です。その名の通り、RUN=ランニングに特化したプリケーションで、デバイスから得られた情報をもとに、以下のデータを接続したスマートフォンやタブレット端末などから確認できます。
・左右前後への身体の傾き(走っている際、身体が左右にどれくらいブレているか)
・左右別での着地強度(左右で着地した際に受ける衝撃がどのくらい偏っているか)
・平均ストライド(1歩でどのくらいの距離を移動できているか)
そのほか、例えばGPSウォッチなどで計測できる走行距離や時間、1km毎のラップタイム、消費カロリーなども見ることが可能です。
JINS MEME RUNで新しいラントレーニングを始めよう!
— JINS MEME (@jins_meme) 2016年8月31日
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これらの情報から分かるのが『ランニングフォーム』。左右前後にバランス良く走れているか、無駄な動きが生じていないかなどといったことが、データから見えてくるでしょう。自分のランニングフォームは、なかなか客観的に見られません。特にいつも1人で走っているという方にとって、フォーム改善の指針となってくれます。
しかもデータは合計値だけでなく、走行中ずっとリアルな情報として蓄積されます。そのため、例えば最初のうちは綺麗なフォームで走れていても、少しずつフォームに崩れが生じている様子まで手に取るように分かるのです。
「このペースで走ると、何kmまでフォームを維持できるのか」
「1kmどの程度のペースがもっとも安定したフォームで走れるのか」
「前後のブレと左右のブレ、また着地強度の差に関連性はないか」
などを分析すれば、ランニングのパフォーマンスアップに繋がります。サイズの関係で小さな子どもの使用は難しいようですが、中学生程度からなら利用できそう。尚、記録したトレーニング毎にフォームの美しさ等を総合してポイント化してくれるので、細かくデータを見る時間がなくても「今日はどの程度ちゃんと走れたか」の把握ができるのもポイントです。
実際に走ってみた
実際に、『JINS MEME MT』を装着してランニングしてみました。走っている最中でも音声がフォームの崩れを指摘してくれるので、緊張感をもって微調整しながら走れます。たまに「素晴らしいフォームです」と言ってくれるのですが、これがうれしくて大きなモチベーションに。
『JINS MEME MT』を実際に使用しているユーザー(Instagramより)
いつもあまりサングラスは着用しないのですが、装着感も良くフィット感が高いので邪魔に感じませんでした。電池とセンサーが内蔵されている分、少し通常のサングラスより大きいのですが、この辺はさすがメガネメーカーというところでしょうか。
そしてランニング後、アプリに保存されたデータを見てびっくり。自分では「正しく走れている」と思っていても、実際には左右前後でブレが起きています。特に上り坂のあった距離地点などではフォームが崩れやすいようです。平地と比べて、やはりフォームの維持が難しいんですね。
分析データから適した体幹トレーニングができる
いくらデータが可視化されても、「結局、何に取り組めばフォームが良くなるのか」と悩む方が多いはず。そんなときは、もう1つ用意されたスマートフォンアプリ『JINS MEME TAIKAN』を使ってみましょう。スマートフォンにインストールしておけば、『JINS MEME RUN』のデータ画面上から開くこともできます。
【JINS MEME TAIKAN アップデート】22種類の体幹トレーニングメニューが増えたほか、美容・健康などの目的別セットメニューも追加。「ヒストリー」ページもさらに見やすくなりました!https://t.co/KwJDoLK0y9 pic.twitter.com/7WTfR86BFx
— JINS MEME (@jins_meme) 2017年3月2日
この『JINS MEME TAIKAN』は、デバイスで得られた情報をもとに、より良いフォームに導くための体幹トレーニングを提示してくれるもの。身体のバランスを均等化したり、可動域を広げてストライドを伸ばしたり。体幹トレーニングはトップアスリートも多く導入しているトレーニングです。
トレーニング内容は動画でお手本が見られるため、初めて体幹トレーニングに取り組む方でもすぐに実践できるようになっています。そして体幹トレーニング中も『JINS MEME MT』の装着によって、理想の体制でトレーニングできているかが分かります。例えば雨で走れないとき、直近のデータから導かれたトレーニングに取り組むなんていかがでしょうか。
怪我なく、楽しんで走りたい。あるいは記録向上を目指したいなど、走る目的は人それぞれ違います。しかしいずれの場合でも、「キレイなフォームで走る」ことは重要なことでしょう。店舗では実機体験もできるようですので、気になる方は試用してみてください。
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
<Text:三河賢文>
※画像はJINS MEMEプレスリリースより