ライフスタイル
2017年9月7日

己の身は己で護る! 暴漢に腕、肩を掴まれたときの対処法┃特集:護身術マニュアル

 日常生活のなかで突然遭遇するかもしれない、痴漢やストーカー、ひったくりなどの犯罪。そんな災難が自分の身にふりかかるなんて思いたくはないけれど、いざというときのために備えておくにこしたことはありません。

 最近は自立した強い女性が増えてきたとはいえ、やはり体格や力の面では男性にはかなわないことも。そこで、女性が自分で自分の身を護り危険を回避するためのテクニックを、イスラエル軍や米国政府機関で正式に採用されている戦闘術「クラヴマガ」のトレーニングを行うクラヴマガ・ジャパンで教えてもらいました。第1回は腕や肩を掴まれたときの対処法をご紹介します(監修:クラヴマガ・ジャパン)。

正面から手首を掴まれたとき

①手のひらをひろげて、相手の親指と残りの4本の指の間のオープンスペースに自分の手首の側面がくるように、手首を回転させます。

②左手で相手を制しながら、自分の肘を相手の肘に近づけます。

③相手に1歩近づきながら、さらに自分の肘を相手の肘に近づけるようにして素早く肘を曲げると、テコの原理が働いて自分の手首を引き抜くことができます。

④手首が外れたら、両手で相手を制しながら相手との距離をとります。

背後から腕を掴まれたとき

①左足を軸に相手の方に向き直り、左手首を起こして手刀をつくります。

②掴まれている左手首を軸にして右足を1歩相手の方に踏み出し、右手のひらで相手の肘を押します。

③相手の肘をさらにぐっと押し込むと、つかまれている腕が外れます。両手で相手を制しながらサイドに回り込み、距離をとります。

肩を掴まれたとき

①上腕から肩のあたりの袖を掴まれている状況です。掴まれている方の腕を前方から背中の方に向かって、大きく振り上げます。

②肩を回して、振り上げた腕を伸ばしたまま、後ろから相手の肘側に下ろします。

③相手の手首を挟みこんだまま脇を締め、上半身を起こすようにして腕を絡めます。

④脇を締めたまま絡めた腕の肘から先を持ち上げ、相手の肘をひねります。相手が後方にバランスを崩したら、素早く離れて距離をとります。

 危険な場面に遭遇したときは、まず大きい声を出して周りの人に助けを求めること、そして、とにかく「逃げる」ことです。護身術の目的は、決して相手を痛めつけて負かすことではなく、相手をひるませて逃げるスキをつくることにあります。護身術を身につけたからといって自分の力を過信し、積極的に攻撃をしようとすると、かえって危険を招いてしまうことを覚えておきましょう。次回は「痴漢に抱きつかれたときの対処法」をご紹介します。

[監修・撮影協力]
クラヴマガ・ジャパン
http://www.kravmaga.co.jp/

<Text:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:小島マサヒロ/Model:梅山富美子、中村康之(クラヴマガ・ジャパン)、秋山実(クラヴマガ・ジャパン)>