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2017年10月25日

アシュタンガヨガの厳しい洗礼、アラフォー危機一髪!?の巻 |アラフォーライターのメンズヨガ体験記 #3

 いつまでも若いつもりだった筆者も、気が付けばアラフォー。身体のために何か始めなくちゃとは思うけれど、何をしたら良いのか分かりません。そこで、前から気になっていたヨガ教室をのぞいてみることにしました――。第3回は、アシュタンガヨガに挑戦してきました。

▲ヨガインストラクターの合田賢二さん

 過去2回のヨガ体験で、ヨガがどんなものか、おぼろげにも分かり始めた筆者。ヨガ教室めぐり3軒目となる今回は、アシュタンガヨガに飛び込み参加してきました。前日、個人的に調べたところによると、アシュタンガとはサンスクリット語で「8本の枝」とのこと。禁戒、坐法、呼吸など8つの大事な項目が定められているようです。基本となるのは「太陽礼拝のポーズ」。異文化に触れる思いです。

▲まずは呼吸から

 当日は、渋谷区内(港区)の区民センターで3人の女性と一緒に参加しました。「アシュタンガヨガは、パワーヨガの元になったヨガです。もともと男性のためにつくられたヨガで、世界的にも男性の比率が高いのが特徴です。ただ日本では女性にも人気ですね」とは、この日、ヨガインストラクターを担当してくれた合田賢二先生の言葉。物腰の軟らかい方で、その声のトーンと柔和な笑顔に癒やされます。身体を温めながら段々ハードな動きになっていくとのことで「疲れたときは(呼吸に意識を向けつつ)休んでも大丈夫です」と事前説明がありました。そんなにハードなんでしょうか?

▲ポーズの1つひとつに意味があるのもおもしろいところ

 インドか中東あたりの音楽が流れる中、「ウディアナ・バンダ、お腹を意識して下さい」「ムーラ・バンダ、お尻の穴を軽くキュッと締めます」などと先生。どんな意味なのか気になります。「畳の和室なのに、なんてエキゾチックな雰囲気なんだ」。これは筆者の心の声。しかし休む暇もなく、次々と新しいヨガが繰り広げられます。

▲よどみなくさまざまなポーズが続くため、あれこれ頭で考える暇もありません

 「それではスリアナマスカーラBです。しっかりサマスティティヒをつくって、親指を後ろ(内側)に揃えた状態で」「ウッティタトリコーナーサナ、息を吸いながら右脚が後ろです。両手を開いて、つま先真っ直ぐ下(後ろ)」。ここまできて「意味なんて後から調べれば良いんだ」と悟ります。母親の言葉を聞き流す赤ん坊のような気持ちになり、あとは先生(および両側の女性)と同じ動きになるようにと神経を集中させました。

▲アルダ・バッダ・パドマ・パスチモッターナーサナ。ここから前屈していきます

 休みなく常に動き続けるため、次第に身体も温まってきます。「これはまだウォーミングアップです」「まだウォーミングアップですか」というやり取りの時点で、すでに汗ばんでいるTシャツ。そしてアルダ・バッダ・パドマ・パスチモッターナーサナ、上の写真のポーズをとってから「前屈していきましょう」と先生。肉体的にも精神的にもかなり厳しくなってきました。その次はマリーチアーサナA、B、C、D。ここまでくると、あまりに次元が違いすぎて「何とか頑張ってみよう」という意欲も失いかけてきます。

▲マリーチアーサナAに挑戦中のアラフォー筆者

▲こちらがマリーチアーサナB

▲ひねり技の連続に苦しむ筆者を前から見たところ。先生、なぜかとてもうれしそうです
こちら、ちなみにフィニッシングのポーズ3つのうちの一つで、最後の方に出てくるポーズでバッダパドマーサナ(ヨガムドラ―)というポーズです

 このあともさまざまなポーズが続き、腰も腕も限界までひねり続けました。すでに汗だく。途中で「初心者の方もいるので、あれは今日は止めておきましょ」と先生の言葉があり、「まだこの上にハードなポーズがあるのか」と気が遠くなる思いでした。最後は全身の力を抜いてマットに仰向け。呼吸を整えます。CDプレイヤーからは心がリラックスできるようにと、波の音が聞こえてきます。部屋も暗くなり、しばし瞑想の時間になりました。「ガンジス川って、どんなかなぁ……」(筆者の心の声)。

▲激しいヨガに果敢に挑戦するアラフォー筆者。先生いわく「体内の浄化には、ヨガのひねりがイチバン効果的」とのことでした

 終了後、先生に感想を聞かれて最初に出てきた言葉は「びっくりしました」でした。こんなポーズ誰が考えたんだろう、と思ってしまうものも多々あり、ヨガの奥深さを垣間見れた思い。でもアシュタンガヨガは、自分が長らく想像していたヨガのイメージとぴったり重なりました。ポーズの種類の多さ、難易度の高さなど突き詰めていける要素がふんだんにあり、何よりポーズの名称がいちいちカッコいい。男性がハマるのも頷ける話です。

▲終了後、合田先生に話を聞きました

 聞けば合田先生は元劇団員で、劇団四季にも在団していたそうです。舞台に出演するなかで怪我に幾度も悩まされ、劇団の先輩に薦められたのがアシュタンガヨガだったとか。「いまもダンスをやっていますが、ヨガがメインになっていますね」と笑顔で話します。

 先生のように、ダンサーからヨガに転じる人も多いとのこと。「ダンスは急な動きが求められます。ジャンプをするための強い筋肉も必要。ダンスに比べるとヨガは静かにゆっくり動いていくので、怪我はしません。身体の左右をバランス良く動かしていくのもヨガの特徴です」と話していました。

 ちなみに一緒に参加した女性陣は、会社の同僚とのこと。友人同士で参加すれば励みにもなり、モチベーションも保てるということなのでしょう。なお張り切りすぎた筆者、帰りの夜道では階段の昇り降りが辛く、日頃の運動不足を思い知らされました。恐るべし、アシュタンガヨガの巻でした。

【店舗情報】
はじめてのアシュタンガヨガ
[住所]東京都港区南青山2-16-5
[アクセス]外苑前駅から徒歩10分
[営業時間]毎週日曜日10:00〜11:30、毎週火曜日19:00〜20:30、月2回 金曜日19:00〜20:30
[予約&詳細]https://school.epark.jp/school/7213

<Text & Photo:近藤謙太郎>