完全栄養食だけの生活、デメリットは。置き換えダイエットにすれば痩せるの?専門家に聞いてみた
ベースブレッドや日清食品の「完全メシ」などがコンビニに並ぶようになり、完全栄養食は忙しい現代人の食生活に寄り添う存在になりつつあります。
栄養バランスを整えたい人、食事が苦手な人や面倒な人をはじめ、一部では食事を完全栄養食に置き換えることで体重を減らすダイエット方法も。はたしてそれは効果的なのでしょうか?
この記事では、完全栄養食について掘り下げ、メリット・デメリットや活用方法に焦点を当てていきます。
完全栄養食(完全食)とは
完全栄養食とは、人間に必要なすべての栄養素を、適切な割合で含んだ食事を指します。ドリンク、パンや麵類、グミなどさまざまなタイプのものが販売されています。
バランス栄養食や栄養補助食品との違い
完全栄養食は、カロリーメイトなどのバランス栄養食とはどう違うのでしょうか。両者は栄養面での共通点がありながらも、いくつかの違いがあります。
先述の通り、完全栄養食は人間に必要なすべての栄養素をバランスよく含んでいます。一方、バランス栄養食や栄養補助食品は、完全栄養食ほど包括的ではなく、特定の栄養素(カロリー、タンパク質、炭水化物、脂質など)を軸として作られていることが多いです。
たとえばカロリーメイトのような製品はエネルギー供給を目的とし、栄養バランスについては完全栄養食より重視されていないことが多いでしょう。不足しているビタミンやミネラル、食物繊維などは、通常の食事から補完する必要があります。
完全栄養食だけで生活することはできる?
理論的には、完全栄養食だけで生活することは可能です。
先述の通り、完全栄養食は、体に必要なすべての栄養素をバランスよく含むように設計されており、食事の代替として使用することができます。
ただし、注意すべき点がいくつかあります。
自分に必要な栄養素をバランスよく補えるか確認
栄養状態は個人によって異なるため、すべての人が完全栄養食で栄養バランスよく過ごせるとは限りません。
そのため、完全栄養食を導入する前に、自身の栄養状態を把握し、それに合わせた栄養バランスを調整する必要があります。
長期的な健康への影響
完全栄養食だけを摂取し続けると、長期的な健康への影響にどのような影響を及ぼすかはまだ十分に研究されていません。
食事の満足感はココロの栄養
完全栄養食は栄養を提供する点では優れていますが、食事の満足感や食事を通じたコミュニケーションなど、心を満たすという意味では物足りないかもしれません。
完全栄養食で置き換えダイエットすれば瘦せる?
完全栄養食を使った置き換えダイエットは、一時的に体重を減らす効果は期待できるでしょう。通常の食事の一部、またはすべてを完全栄養食に置き換えるため、カロリー摂取量が低下し、体重の減少が予想されます。
しかし、同時にデメリットもあります。完全栄養食を使った置き換えダイエットのメリット・デメリットを見ていきましょう。
完全栄養食で置き換えダイエットを行うメリット
カロリーコントロールが簡単である
完全栄養食はカロリーが事前に計算されており、簡単にカロリーコントロールができます。
栄養素バランスが整ったダイエットができる
完全栄養食には必要な栄養素が含まれているため、適切な栄養バランスを保ったままダイエットを行うことができます。
調理の必要がなく時短である
完全栄養食は食べる際の準備が簡単で、しかも持ち運びが便利なため、忙しい人や現代の生活スタイルにマッチしやすいでしょう。
完全栄養食で置き換えダイエットを行うデメリット
先ほどの説明にもあったように、完全栄養食で懸念されるデメリットはここでも共通して挙げられます。
長期間続けることによる“食事の満足感”
完全栄養食のみで食事を終えると、食の楽しみや満足感、また食事を通して友人や家族と会話を楽しむ機会が減ることも想定されます。そのため、長期的に続けるのはメンタル面を考えて、難しいことも。
咀嚼機能の低下
ドリンクタイプの場合、嚙む力が弱くなり咀嚼機能の衰えによるさまざまなデメリットが考えられます。
栄養バランスの乱れ
完全栄養食は人間に必要な栄養素がバランスよく含まれていますが、先述の通り個人によって必要な栄養素は異なるため、完全栄養食のみでは不足している栄養を充分に補完できない可能性もあります。
完全栄養食に限らず、極端な置き換えダイエットを長期間行う場合、栄養バランスの崩れにより健康上の問題を引き起こすことも。ファスティングなども同様です。
健康的に体脂肪を落としたい場合、置き換えダイエットによるカロリー制限だけでなく、適切な運動とバランスの取れた食生活がもっとも確実で近道です。
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「食事で脂肪を落として、体型は運動で作る」。フィットネスプロデューサーAYAから学ぶ、筋肉をつけながら脂肪を落とす食事術
完全栄養食の人気ブランド一覧
BASE FOOD(ベースフード)
日本発の完全栄養食ブランド。ベースブレッド、ベースパスタのほかクッキータイプもあり、さまざまなフレーバーが展開中。コンビニでも購入できます。
▼「何が不足しているか考えることなく、すべての栄養素を食事から摂取できる」
完全メシ
日清食品グループからも完全栄養食が登場。カレーや焼きそば、スムージーなど幅広い商品展開が特徴で、コンビニやスーパーでも購入できます。
カレーはお米の食感がやや変わっていました(編集部談)
COMP(コンプ)
日本発のバランス栄養食ブランド。ドリンクタイプのほか、バーやグミ、アイスクリームタイプなど展開中。スタイリッシュなデザインもポイント。
uFit完全栄養食
2020年にフィットネスブランド「uFit」から登場した日本発ブランド。乳酸菌も配合しており、腸内環境が気になる人にもおすすめ。
Huel(ヒュエル)
イギリス発世界No.1完全栄養食ブランド。プロテインタイプです。
完全食TOKYO - 完全栄養食のプロテイン
株式会社Milimが販売するプロテインタイプの完全栄養食。
MISOVATION(ミソベーション)
味噌汁タイプの完全栄養食です。栄養士と日本各地の味噌蔵がタッグを組んで開発し、これ1杯が主食になる「食べる味噌汁」。
公式オンラインサイトをはじめ、北野エースやAKOMEYA TOKYO一部店舗でも販売中。
▼個人に合わせた栄養を配合したプロテインも
監修者プロフィール
原奈都美
女性専用の岩盤浴ヨガスタジオCOLOR ME YOGA代表。山梨大学で非常勤講師も務めている。
◉インド政府公認ヨーガインストラクター
◉ヨーガ療法士(ヨーガセラピスト)
◉ヨーガ教師
◉全米ヨガアライアンス認定講師(E-RYT500)
◉BEAT YOGA®︎インストラクター
◉管理栄養士
◉山梨大学非常勤講師
スタジオURL:https://www.color-me-yoga.com
<Edit:編集部>