ヘルス&メンタル
2025年4月17日

春の肉体改造で気をつけるべき“落とし穴”とは?トップアスリートを指導するプロに聞いた (1/3)

新年度と共にトレーニングでもスタートダッシュを切りたいという方も多いのではないでしょうか? しかし、生活環境が大きく変化する春先のトレーニングには、意外な落とし穴があるといいます。コンディショニングの第一人者で、100人以上のトップアスリートのサポートにも携わってきた桑原弘樹さんにポイントを聞きました。

春のトレーニングは「助走期間」と考え、50~80%の負荷に抑えよう

――早速ですが、春先のトレーニングについて、コンディショニングのプロとして普段どんなアドバイスをされているのか教えてください。

春は新たな気持ちでトレーニングに励みたい季節ですが、気温の変化に身体がついていけなかったり、花粉症に悩まされたり、新年度の開始で人事異動など環境の変化にストレスを感じたりと、実はトレーニングに集中するのは難しい時期です。

トレーニングとは、体に負荷を与え、それを乗り越えていくことです。花粉症などで体調が悪いときに負荷を掛けても成果は上がらず、ストレスになります。また、せっかくトレーニングメニューを組んでも、スケジュール調整に失敗し思ったようにメニューを消化できなくても心理的なストレスになります。

ですので、3〜4月はトレーニングの助走期間と捉え、ゴールデンウィーク明けから本格的に始動するのがオススメです。トレーニングメニューも、通常の50%程度の強度から始めて徐々に80%まで持っていきましょう。

――通常の50%から80%の強度とのことですが、具体的にはどんなことを意識すれば良いでしょうか?

たとえば、ウエイトトレーニングだったら、余裕を持って上げられる程度のウエイトを使い、時間は通常通り行うことを私は勧めています。たとえば、「ベンチプレス100㎏あげるぞ!」などの意気込みは大事ですが、重いものを上げること自体が目的になりやすいんです。すると、フォームが崩れてしまいます。

筋肉に適切に刺激を与えることこそが一番大事な目的ですが、トップアスリートでも重量や回数などの目標に気を取られて、フォームを崩して最悪ケガをしてしまうケースが少なくありません。

軽いウエイトだと、筋肉への刺激は弱くなりますが、フォームは意識しやすいというメリットがあります。春にフォームをしっかり固めることができれば、基礎となって長く使えます。

1 2 3