ヘルス&メンタル
2024年4月30日

春の肉体改造で気をつけるべき“落とし穴”とは?トップアスリートを指導するプロに聞いた (2/2)

マルチビタミンやマルチミネラルを適宜補給する以外に、意識的に摂っていて、私自身、慢性的な疲労の改善、トレーニング効率アップなどの効果を体感しているサプリが「還元型コエンザイムQ10」です。ドラッグストアやコンビニでもよく販売されているので、ご存じの方が多いのではないでしょうか。

――なぜ、「還元型コエンザイムQ10」が良いのでしょうか?

化学の授業に出てくるATPという単語を覚えていますか? わかりやすく言えば、生物のエネルギーの源のような物質です。このATPを適切に作れなくなると、トレーニングどころではなくなります。細胞の中にあるミトコンドリアというATPを生み出すエネルギー工場のような器官があるのですが、ATPを作る際に、コエンザイムQ10が必要なのです。

このコエンザイムQ10、体内でも合成できるのですが、歳を重ねるほどに合成能力が落ちていきます。また、トレーニングで身体に負荷を掛ければ、そのぶん消費量が増えます。ストレスの大きい春先は、積極的に補給する必要があるといえます。

しかし、コエンザイムQ10を食事のみから摂るのは困難です。1日の目安量100mgを摂ろうと思ったら、特に豊富なイワシでも20匹分に相当します。だからこそサプリを賢く取り入れるのが合理的なのです。

ちなみに、コエンザイムQ10には「酸化型」と「還元型」の2種類がありますが、体内で吸収されやすい還元型コエンザイムQ10の補給をすすめます。

――このほか、春先のトレーニングで意識すべきことがあれば教えてください。

くれぐれも身体に負担をかけすぎないことです。変化が大きい時期ですから、ご自身の環境にあったトレーニングや食事の習慣作りに徹することが長い目で見たときに大切だと思います。

回答者プロフィール

桑原弘樹(くわばら・ひろき)

「桑原塾」主宰。コンディショニングのプロとして、100名以上のトップアスリートやモデルをサポート。大手食品メーカーなどでサプリメント開発に携わった経験を活かし、サプリを効果的に取り入れた独自のコンディショニング指導やボディメイク指導も行う。

<Edit:編集部>

1 2