酢納豆の効果と作り方。ダイエットにいい食べ方は?毎日食べると痩せる?[管理栄養士監修] (3/3)
糖質・脂質の吸収を抑制する
納豆に含まれる食物繊維は糖と一緒に摂ると吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。また、食物繊維は余剰な脂質を吸着して排出する働きもあります。
さらに、酢には食後血糖値の上昇を穏やかにするとの論文もあります(※)。
鉄分やカルシウムの吸収率がアップする
酢に含まれるクエン酸は、鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルの吸収を助ける働きがあります。
食べ物に含まれる栄養素は、「食べた=吸収した」ではありません。ミネラルは吸収率が25%〜30%といわれており、意識的に摂るだけでなく、より多く吸収できるようにすることも重要です。
納豆に酢を加えることで、納豆に含まれるミネラルの吸収率のアップが期待できます。
腸内環境を整え、便通を改善する
納豆に含まれる食物繊維は以下の働きをしてくれます。
- 腸管を刺激してぜん動運動を促したり、便のカサを増やしたりすることで排便をサポート
- 腸内の善玉菌に働きかけ腸内環境を改善し、便の腐敗を防ぐ
ちなみに、酢にも善玉菌を増やす働きがあります。
善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑えて腸の活動を活発にさせる働きをもっています。善玉菌を増やすことで腸内環境が整い、便通が改善されるのです。
肌質を改善する
エネルギー代謝や栄養素の吸収率が高まり、肌の新陳代謝が活性化することで、肌質の改善が期待できます。
腸内環境が悪いと腸内で有害物質が発生しやすくなり、血液を介して肌まで届けられ、肌荒れの原因になる場合があります。納豆に含まれる食物繊維のおかげで腸内環境が改善すると、結果的に肌質の改善も期待できるというわけです。
自宅で簡単! 酢納豆の作り方
酢納豆の作り方は簡単。
納豆1パックに対して、小さじ1杯(5ml)の酢と、付属のタレやしょうゆを適量入れるだけです。
酢の味が気になる場合は半分に減らしてもOK。好みに合わせて酢の量を調節しましょう。
酢の種類は自由
納豆に合わせる酢は、どの酢でもかまいません。好みや気分に合わせて、いろいろ試してみてください。
- 米酢
- 穀物酢
- りんご酢
- 梅酢
- 黒酢
- ワインビネガー など
米酢と黒酢、りんご酢とワインビネガーのように、2種類の酢を合わせて使うのもいいでしょう。
納豆酢がおいしくない、 そんなときはアレンジ! おすすめちょい足し食材
食べづらい、おいしくないと感じる人は、アレンジしてみてはいかがでしょうか。家にあるものですぐにできるアイデアをご紹介します。
しょうゆや塩、味噌などの塩味を加える
味がよくなり、ごはんとの相性も高まります。
食べて「おいしい」と感じることは自律神経を介して全身に影響し、消化吸収や代謝を高めやすくなるため重要です。
にんにくやしょうが、キムチ、粉チーズ、ごま油などを加える
パンチのあるチョイ足しをしてみてはいかがでしょうか。ネギだけでなく、自分好みの薬味を探すのも楽しいですよ。
酢納豆を食べるタイミング。朝・昼・夜いつ食べればいい?
いつでもOK! 続けられるタイミングで食べよう
酢納豆は、1回食べたからといって効果を実感できるものではありません。
継続が大事なので、時間やタイミングを固定せず、続けやすいタイミングで食べることを優先しましょう。
酢納豆の効果がなくなるNGな食べ方
せっかく手間と時間をかけるのですから、酢納豆を効果的においしく食べたいですよね。酢納豆を食べる際のポイントをまとめました。
酢の摂りすぎに注意する
お酢は発酵食品でもあり、健康効果も期待できますが、摂り過ぎると消化器にダメージを与える場合も。
多く摂れば効果も大きいわけではありません。おいしいと感じる程度の量にしましょう。
熱を加えない
酢納豆を加熱すると、納豆に含まれる酵素が変質し、期待する効果が得にくくなる場合があります。
また、酢も加熱することで酢酸の一部が揮発してしまいます。酢納豆を健康や美容効果を期待して食べるのであれば、加熱せずに食べるのがいいでしょう。
タンパク質の摂りすぎにならないよう注意
タンパク質は、多く摂り過ぎると消化器の負担になる場合があります。そのため、肉や魚、乳製品などタンパク質を多く含む食材とのバランスを考えながら摂る必要があります。
おかずが多いときは酢納豆をお休みする、逆におかずが少ないときは酢納豆を添えるなど、献立全体をみて頻度を調整するといいでしょう。
トレーニングやダイエットをする人に「酢納豆」はおすすめできる食べ方です
酢納豆は、納豆に酢をくわえた手軽な食べ物です。タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が摂れ、糖質や脂質の吸収を抑制し、肌質を改善するのにも効果的。
ただし、食べ過ぎは消化器の負担をまねく場合もあるので、毎日の献立と合わせて調整しながら、おいしく食べ続けましょう。
参考:
文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
厚生労働省 e-ヘルスネット,たんぱく質
厚生労働省 e-ヘルスネット,食物繊維の必要性と健康
厚生労働省 e-ヘルスネット,ビタミン
厚生労働省 e-ヘルスネット,ミネラル
遠藤美智子・松岡 孝,食酢の食後血糖上昇抑制効果
吉田企世子.松田早苗「からだにおいしい あたらしい栄養学」高橋書店.2020
監修・執筆者プロフィール
あんしん漢方 管理栄養士
小原 水月
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
<Edit:編集部>