ガムを噛むと、どんなメリットがある?飲み込むのはダメ?ロッテに聞いてみた (2/2)
グミじゃダメ? 「ガムを噛む」が大切なワケ
──「噛む」という行為だけで見るなら、グミやスルメ、おつまみ昆布などでも代用できそうですが、ガムである理由とは。
グミやスルメじゃダメということはありませんが、ガムの研究では、作業中に噛み続けたり、1回5~10分ほど噛んだりと、効果を得るのにある程度長い時間の咀嚼が必要となります。
ガムは噛み続けられることが特徴の食品ですが、他の食品ですと噛み続けるためには量を食べる必要がありますので、カロリー摂取が多くなってしまうことが考えられます。
また、ガムは無糖の製品もありますので、むし歯のリスクも下げられますが、糖を含む食品ですとむし歯の心配も出てくるかと思います。
さらに、ガムを噛むことで唾液がたくさん出てきます。唾液には口の中を清潔に保つ機能がありますので、日常からガムを噛んで唾液を出すことはおすすめです。
紙に出すのが面倒! ガムは飲み込んでもいい?
──ガムを食べたいけれど、毎回紙に出すのが面倒だったり、移動中だと出すのが難しかったりすることも。つい飲み込んでしまいたくなりますが、ガムは飲み込むと胃に溜まり続けるとか、臓器にくっつくとか、不安な噂も。そうでなくても、なんとなく「詰まりそう」なイメージはありますが、ガムは出さずに飲み込んでも問題ないのでしょうか?
ガムは飲み込んでも、消化管の消化液では分解されにくく、そのまま排泄されますので、飲み込んでしまっても問題はありません。
ただし、弊社としては、ガムは飲み込まずに紙に包んで捨てることを推奨しています。
ガムって腐るの? ガムの賞味期限と保存方法
──ボトルタイプをまとめ買いするときもあるのですが、気になるのが賞味期限です。ガムは賞味期限がないという話を耳にしたのですが、本当でしょうか。また、最近の猛暑により、常温保存をしておくとベタベタになるのではという心配も出てきました。ガムって賞味期限はあるのでしょうか。また、35℃以上の猛暑日に持ち歩いたり、冷房が切れた室内・車内に置いたりしても、問題ないのでしょうか。
ガムは含まれる水分が少なく、品質変化が少ないため、基本的には賞味期限がありません。ただし、直射日光や高温多湿のところを避けて保管し、開封後は早めにお召し上がりいただくことをお勧めしています。
ご回答者プロフィール
菅野範(かんのすすむ)
株式会社ロッテ 中央研究所 噛むこと研究部 チーフスペシャリスト。2007年に株式会社ロッテに入社し、機能性成分の研究開発に従事。2018年、噛むこと研究部に異動し、噛むことの健康効果に関するエビデンス取得を産学官連携にて推進。
<Edit:編集部>