スポーツの補食や行動食に「カステラ」はOK?筋トレ前後に食べるのはどう?
スポーツを前後に適切な食事を摂ることは、パフォーマンスをしっかり出すために重要です。
最近注目されているのが、甘くて柔らかい「カステラ」。お菓子としてのイメージが強いカステラですが、スポーツや登山、ロードバイクなどの補食に、また筋トレ前後のエネルギー補給として食べる人も多いようです。
カステラはエネルギーチャージとして適しているのでしょうか? 長崎カステラの老舗・株式会社カステラ本家福砂屋と、スポーツ栄養アドバイザー/管理栄養士でOffice LAC-U代表・石川三知さんに聞いてみました。
カステラはスポーツ時の補食やアウトドアの行動食に適している?
管理栄養士石川さん:まず、動きながら、もしくは短い休憩中(交感神経が優位な状況)に何かを食べるのは、体の仕組みとして最適ではありません。食べて消化吸収する行為に適しているのは、副交感神経が優位のときです。
しかし、カステラは消化に負担がかからないので、交感神経が優位のときでも体内に受け入れられやすいです。また、少量でもエネルギー補給に適しているので、食べる負担を減らしても効率的にエネルギー補給が叶う、そしてエネルギーが持続しやすいのでスポーツの補食や行動食に適していると言えます。
喉つまりしないかという点で見ると、 カステラは焼き菓子の中でも水分量が多くしっとりしたお菓子のひとつです。気になる方は、噛むこと(カステラは柔らかいので噛まずに口の中でまとめる感じで飲み込む)がよいと思います。
とくに筋トレ後は筋肉回復をサポートするために筋肉のエネルギー供給源としてたんぱく質や炭水化物が必要です。良質なたんぱく質や炭水化物が含まれるカステラはおすすめです。
スポーツ選手がカステラを補食として選ぶことについて、株式会社カステラ本家福砂屋の殿村禎三副社長は、次のように語っています。
殿村副社長:おやつや手土産のイメージが強いカステラですが、栄養バランスにすぐれ、無添加なので食べるものがパフォーマンスに直結するアスリートの方々にも安心してお召し上がりいただけます。補食として、カステラの力が多くのスポーツ選手の身体を支える一助になっていることをとても光栄に思います。
回答者プロフィール
石川 三知
Office LAC-U代表。スポーツ栄養アドバイザー/管理栄養士
オリンピックメダリストをはじめとする多くのアスリートの栄養サポートを行なう。いままでにサポートしてきた選手・団体は、中央大学水泳部、スピードスケート岡崎朋美選手、フィギュアスケート荒川静香選手、髙橋大輔選手、陸上短距離走/末続慎吾選手、競泳渡部香生子選手、大相撲稀勢の里関、陸上男子短距離日本代表チーム、新体操日本代表フェアリージャパン、全日本男子バレーボールチームなど多数。2004年度~2014年度JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ(医科学)。中央大学商学部兼任講師(スポーツ科学)。中央大学保健体育研究所客員研究員。八王子スポーツ整形外科栄養管理部門ディレクター。 著書には、『最新版 スポーツ選手のための食事 400レシピ』、『栄養のプロが教える 最新版 身長を伸ばす栄養とレシピ』(いずれも学研プラス)など多数。
取材協力
カステラ本家 福砂屋
カステラ本家福砂屋は、寛永元年(1624年)創業の老舗です。長崎カステラの伝統の味と製法を守る福砂屋は、職人の「手わざ」と、手間をかける「別立て法」を用ることで、ふっくら、しっとりとした福砂屋独特の食感、コクのある甘みと風味を生み出します。
<Edit:編集部>