男性ホルモン「テストステロン」が減少するリスクとは?30代でも要注意な“男性更年期” (1/2)
男性ホルモンの一種「テストステロン」は、一般的に、20~30代でピークを迎え、緩やかに減少していきます。しかし、急激に減少すると、体調不良やメンタル不調などの「男性更年期」になるおそれがあります。
日比谷国際クリニックが30~60代男性を対象に行った、テストステロンが心身に及ぼす影響に関する調査を紹介していきます。
テストステロンとは
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、成人においては骨や筋肉の形成、造血、性機能、動脈硬化の防止、脂質代謝、認知機能など幅広い作用があります。
さらに、決断力、推進力や忍耐力、新しいことにチャレンジする意欲、仕事を通じた社会への貢献などさまざまな行動や思考に影響を与えると言われています。
テストステロンの体内での分泌量は、加齢とともに低下することが知られており、テストステロン低下によって男性更年期障害(LOH症候群)や、意欲・決断力・集中力の低下、うつなどの症状を引き起こすことが明らかになっています。
30~50代男性の3人に1人は、テストステロンが低い“男性更年期障害予備軍”
2022年3月、厚生労働省が実施した「更年期症状・障害に関する意識調査」(※1)によると、男性の更年期症状の状況を示す指標のひとつであるAMSスコア(Aging Male Symptons rating scale、男性更年期障害質問表)において、軽度~重度にあたる人は以下の割合でした。
- 30~39歳で28.6%
- 40~49歳で36.2%
- 50~59歳で42.2%でした。
つまり、30~50代男性の3人に1人が「男性更年期障害予備軍」であることがわかっています。
テストステロンが心身に及ぼす影響を調査
日比谷国際クリニックでは、30~60代男性を対象に、テストステロンが心身に及ぼす影響に関して調査を実施しました。
その結果、以下のことがわかりました。
男性更年期障害およびテストステロンに関する意識調査について
1. 30~50代男性の3人に1人が「テストステロンが低い“男性更年期障害予備軍”」(※1)
2. テストステロン低下を引き起こす要因、第1位は「目標ややりたいことがない」
3. 「午前中」に仕事のやる気や集中力が低下。とくに40代が要注意
4. 高テストステロンタイプの人は、年収800万円以上の高収入の人に多い
5. 高テストステロンタイプの人は、「仕事を通じて社会に貢献したい」割合が高い
6. 高テストステロンタイプの人は、イノベーション志向が高い
※1 厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」(令和4年3月25日(金)~28日(月))
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index_00009.html
日比谷国際クリニックは、テストステロンが低下しやすい要因を抱える“男性更年期障害予備軍”の男性を、「L世代」(テストステロンが低い=LOW世代)と名付けています。
また、「L世代診断」サイトも開設しており、「L世代」かどうかチェックできる診断もあります。
5つ以上当てはまったら「L世代」かも! 診断項目
日比谷国際クリニックは、日本の男性医療について活動している一般社団法人1UP学会の監修のもと、質問項目のうち5つ以上該当すると「L世代」であるとしています。