
ウェルネスフード
2025年2月18日
「赤色3号」の発がん性リスクは?食品添加物は本当に危険なのか。体に与える影響とは (1/3)
食品に鮮やかな色をつけるために使われる「赤色3号」。一部では発がん性のリスクが指摘され、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にどのような影響があるのか、私たちの体に本当に危険なのか、さまざまな意見が飛び交う分野です。
本記事では、「赤色3号」を中心に食品添加物の安全性について、医療法人社団 筑三会 筑波胃腸病院 理事長の鈴木隆二医師監修のもと、同病院所属の管理栄養士・西島理衣さんの意見を聞きました。
食品添加物「赤色3号」とは
赤色3号(エリスロシン)は、合成着色料の一種で、鮮やかな赤色を呈します。耐熱性・耐光性が高く、退色しにくいのが特徴です。
主な用途としては、食品に色味をつけるために使用されています。
- 菓子類(ゼリー、グミ、キャンディ、かき氷シロップ)
- 飲料(いちご風味の乳飲料、炭酸飲料)
- 加工食品(桜でんぶ、ハム、かまぼこ)
- 医薬品・サプリメント(錠剤のコーティング) など
アメリカFDAが「食用赤色3号」を食用禁止に。赤色3号には発がん性がある?
2025年1月15日、米国FDAは食用赤色3号の食品への使用許可を取り消すという発表がありました。雄ラットの試験において発がん性が認められた報告があったのです。
ただし、この試験における発がん性の発生機序はヒトでは発生しないこと、他の動物やヒトの試験では同様の事象は見られていないため、「食用赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けされたものではない」ともしています。
一部ではFDAの今回の判断は、食品添加物に厳しいロバート・ケネディ・ジュニア氏への忖度もあるのではという見方も出ています。
ちなみに消費者庁は、食用赤色3号の許容一日摂取量(※)は「0~0.1mg/kg体重/日」であると設定しています。
(※)人が毎日一生涯摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量
そして令和5年度の厚生労働省の調査において、日本人の1日あたりの食用赤色3号摂取量は「0.048%」とかなり少ないことが分かっています(※1)。
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