
「仕事に行きたくない」が続く…うつ病のサイン?精神科医に聞いたセルフチェック診断 (3/3)
病院で「うつ病」と診断される基準は?
▼以下の症状のうち、少なくとも1つある。
- 抑うつ気分
- 興味または喜びの喪失
▼以下の症状をあわせて、合計で5つ以上該当する。
- 食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
- 不眠あるいは睡眠過多
- 精神運動性の焦燥または制止(じっとしていられない・話し方や動作が遅い等)
- 疲労感または気力の減退
- 無価値感または過剰な罪責感(自分は価値のない人間だと感じる・自分の言動に対して過度に罪悪感を覚える等)
- 思考力や集中力の減退または決断困難
- 死についての反芻思考・自殺念慮・自殺企図
上記の症状がほとんど1日中、ほぼ毎日ある状態が2週間以上続いていて、他の病気や薬物、アルコールなどの影響では説明できない場合に、「うつ病」と診断されます。
病院ではどんな治療をするの?
医療機関では、薬物療法・カウンセリング・生活指導・認知療法などによって、症状の改善を図ります。
薬物療法では、気分の落ち込みをよくする薬や、睡眠薬などを使用します。症状が治まるまでの治療期間は、「発症から受診までの期間と同じくらい」と考えられています。
うつ病で休職する場合、どんな手順になる?
医師の診断を受けて休職が必要と判断された場合は、下記の手順が必要となるケースが多いようです。
1.休職の制度があるか、会社に確認する
2.医師に診断書を出してもらう
3.休業手当金(休職手当)を申請する
4.業務の引き継ぎを行う ※
5.休職の期間・復職の目安を決めておく
休職に必要な書類や申請は会社によって異なるため、上司や人事部に確認しましょう。
※業務の引き継ぎに関しては、医師から「一刻も早く休みが必要」と診断された場合は、無理せず会社にお任せしてください。
休職中はどう過ごす?
休職する際は復帰を焦らず、最低でも3ヶ月程度、仕事を休むとよいでしょう。復職するまでの期間は、精神的・身体的ストレスがかからない環境で過ごしてください。
休職期間は、勤務先や産業医・主治医に相談して決めていきます。
具体的には以下のようなステップを踏んで、復職まで過ごすとよいでしょう。
復職までのステップ |
過ごし方 |
休職直後(1ヶ月) |
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生活安定期(1ヶ月) |
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復職準備期(1ヶ月) |
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※上記はあくまでも目安です。休職の期間やあらわれている症状によって、どのように過ごすべきかは変わってきます。医師の指示に従いましょう。
うつ病の症状が出ている時期は、通常時と比べて判断力が低下しています。そのため、重要な決断は避けるようにしましょう。
▼参考
厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス うつ病
医療法人社団 春晴会 ハルこころクリニック京成高砂院 休職中の過ごし方
おりたメンタルクリニック 休職について(心療内科・精神科)
神戸市医師会 うつ病の診断基準(大うつ病診断基準DSM-IV)
監修者プロフィール
ともしびクリニック代表医師
江越 正敏先生
佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。