
なぜ40代から疲れやすくなるのか?「疲れが取れないし、眠い…」内科医監修 (3/3)
見逃さないで! 病気のサインかもしれない症状
岡村先生:疲労感や眠気のほかにも症状が併発する場合、何かしらの病気が原因かもしれません。
- 発熱がある、身体の節々が痛む
- 無気力で常に不安である、食欲がない
- むくみが酷く首が腫れている
- 喉が渇き、手足にしびれがある
上記の症状が出現している場合は、何らかの病気が原因の可能性があるため、医療機関を受診することをおすすめします。
要注意な症状1 発熱がある・身体の節々が痛む
岡村先生:慢性疲労症候群を発症している疑いがあります。慢性的な疲労感が続き、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
慢性疲労症候群とは
重度の疲労感が長期間続く状態のこと。発熱のほかに、筋肉痛や関節痛、リンパ節腫脹などの症状がみられます。
要注意な症状2 無気力で常に不安である、食欲がない
岡村先生:うつ病を発症している可能性があります。無気力・憂うつである、不安感がある、食欲が低下し、睡眠障害がある、体の痛みやしびれなどの症状が見られます。
要注意の症状3 むくみが酷く首が腫れている
岡村先生:甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)を発症している可能性があります。
甲状腺を患うと不整脈、心不全等の心疾患や骨粗鬆症等を発症するリスクが高まる恐れがあります。また放置してしまうと、がん等の重篤な病気を見逃してしまう恐れもあります。
甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症とは
バセドウ病に代表される「甲状腺機能亢進症」は、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる甲状腺の疾患です。一方、橋本病に代表される「甲状腺機能低下症」は、甲状腺ホルモンの分泌が足りなくなる疾患です。
むくみや首の腫れのほかにも、動悸や便秘、冷え、イライラ感、発汗、皮膚の乾燥などの症状が見られます。
要注意の症状4 喉が渇き、手足にしびれがある
岡村先生:糖尿病を発症している恐れがあります。喉の渇きや手足のしびれのほかにも、多尿、倦怠感、体重減少、意識障害といった症状が見られます。
糖尿病を放置すると、恐ろしい合併症(脳疾患、心疾患等の病気)を発症するリスクが高まり、命に関わるような状態に陥ることがあります。
1ヶ月以上疲れが取れない状態が続くときは医師に相談を
岡村先生:疲れが取れない状態が1ヶ月以上続く、または上記のような病気が疑われる症状が出現している場合には医療機関の受診をおすすめします。
まずは内科へ相談し、症状に適した診療科を紹介してもらうことをおすすめします。
▼参考
厚生労働省 こころの耳 ストレスとは
一般社団法人 日本内分泌学会 甲状腺機能低下症
アリナミン製薬株式会社 疲れ、だるさ、倦怠感
石川県医師会 女性の健康ハンドブック
一般社団法人 日本女性心身医学会 疲れやすい
大塚製薬株式会社 うつ病ABC
監修者プロフィール
岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生
内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。