
「大人の男性の発達障害」4つの特徴をチェック!男女でどんな違いがある?
大人の男性の発達障害には、どんな特徴があるのでしょうか。
大人の男性の「ASD(自閉スペクトラム症)」や「ADHD(注意欠如多動症)」で見られる特徴について、ともしびクリニック代表医師・江越正敏先生に聞いてみました。
「大人の男性の発達障害」4つの特徴
特徴1 忘れ物が多い・同じようなミスを繰り返す
脳の機能がうまく働いてないため、年齢不相応なミスを繰り返してしまいます。
「ASD(自閉症スペクトラム)」と「ADHD」の違いとは?
ASDとADHDは、どちらも脳機能の働きに問題がある「神経発達症」ですが、主な症状が異なります。
ASDは、「対人関係・コミュニケーションが苦手」「強いこだわり」といった症状があります。ADHDは、「不注意」「多動性(じっとしていられない)」「衝動性(後先考えずに行動してしまう)」といった症状が見られます。
特徴2 じっとしていることが苦痛
「ADHD」や「ASD(自閉症スペクトラム)」などの発達障害では、以下の特徴が見られることがあります。
- じっとしていられない
- 突発的に行動してしまう
- 自分の気になっていることを優先してしまう
特徴3 集中力が続かない
発達障害の影響で感覚が過敏になることにより、周りが騒がしく感じる、頭の中がごちゃごちゃするといった状況に陥るため、一つのことに集中できない場合があります。
ADHDの多動(じっとしていられない)という特性が影響していることも考えられます。
特徴4 衝動的な行動が多い
目先のものに惹かれる、こだわりが強いものに対して我慢がきかないといった衝動的な行動が多く見られます。
女性と男性では、なりやすい発達障害が違う?
- 女性 → 「不注意のADHD」が多い
- 男性 → 「ASD(自閉症スペクトラム)」「多動型・衝動型のADHD」が多い
江越先生:あくまでも全体の傾向ですが、女性と男性では上記のような違いが見られます。
ただし発達障害は、症状が強く出ている人だけが診断・検査を受けているため、一概にどちらの性別が多いとは言い切れないのが現状です。
発達障害は、子どもの頃に男女差が出ることがありますが、大人になるにつれてその差は縮まります。男性はわかりやすい特徴が出るケースが多く、女性は気づかれにくい傾向があります。
もしかして発達障害かも……どうしよう?
江越先生:頑張っているのにミスを繰り返してしまう、他の人と同じようにできないといった悩みを抱えている人は、医療機関で相談しましょう。
大人の発達障害の場合は、「精神科」もしくは「心療内科」で相談してください。
発達障害の人は、生きにくさを感じたり、他人から誤解されたりして、自己肯定感が育っていないケースが多いです。
後ろ向きに人生を歩む傾向が強くなり、心の病気を発症するリスクが高くなるので、病院で治療を受けましょう。
どんな治療を受けるの?
江越先生:「薬物療法」や「行動療法」により、本人が生きやすくなることを目指す治療を行います。
薬物療法は、薬の内服を行う治療です。「衝動的な行動を落ち着かせる」「頭の中を整理する」といった効果が期待できます。
ただし、人によって薬の効果は変わってくるため、慎重に投薬を行います。
行動療法では、患者の行動を整理整頓して、さまざまな局面でどう対応したらよいかを学んでいきます。
修者プロフィール
ともしびクリニック代表医師
江越 正敏先生
佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。