ヘルス&メンタル
2025年5月6日

五月病になりやすい性格や傾向ってあるの?精神科医の回答は… (2/2)

頑張り屋・責任感が強いタイプ

「新しい職場で成果を出したい」「期待に応えたい」と力が入りすぎてしまう人。無理を重ねると、ふと気が抜けた瞬間に心が折れやすくなります。

頑張るペースに“ゆとり”を持つことが、長続きのコツ。燃え尽き症候群になってはもったいない!

ライターからの一言「全力で走り続けられる人はいないので、長距離走をイメージするといいかもしれません。100%だと何かあったときに対応できません」

性格だけじゃない! 環境や状況も関係あり

性格は一つの要因ですが、以下のような環境的な要因も大きく関わっています。

・新しい職場や学校にまだ馴染めていない
・引っ越しや環境の変化で生活リズムが崩れた
・つねに全力で頑張らなければならない環境で、その反動でエネルギー切れを起こしている

松澤先生が経験上感じた、「五月病になりやすい人の傾向」や「環境」

松澤先生:何よりも真面目で頑張り屋、やるからにはしっかりと成果を残したいし、自分のこともきちんと分かってもらいたい、という人に多い傾向があると思います。

でもそんなあなたであれば、あなたの良さは時間をかけても必ず理解してもらえます。最初から焦らないこと、無理をしないことが大切だと思います。周りにペースを乱されず、少しずつ自分のペースで進んでいきましょう。

新しい職場や学校、そのための引っ越しなど、環境の変化はたとえ良いことであっても最初は大きなストレスになります。その変化が大きければ大きいほどにストレスは大きくなります。

ストレス下では出来るだけ考えなければならないことを減らし、心身にゆとり、余裕を持たせておくことをお勧めします。

起床時間、就寝時間をあらかじめ決めておく、食事は作り置きや買いだめが出来れば週末に用意しておく、趣味を楽しむ時間を前もって予定しておくなどです。

当面は生活自体に余裕がなく日々を過ごすだけで精一杯だと思います。しばらくはあれこれと予定は入れずに、しっかりと休息の時間を確保することがおすすめです。

心が疲れたら、まずは“自分をゆるす”こと

五月病は、決して「弱い人」がなるものではありません。むしろ、まじめに頑張ってきた人ほど、なりやすいともいえます。

もし心や体が「しんどいな」と感じたら、「今はそういう時期」として、睡眠と自分が心地よい・楽しいと感じることを最優先にしてください。また頑張れるタイミングがやってきます。

5月は“心の衣替え”の時期。心にも“気温差”があるように、春から初夏への変わり目は誰でもゆらぎやすいもの。無理せず、自分を最優先にしながら、みんなで乗り越えていきましょう。

監修者プロフィール

神谷町カリスメンタルクリニック院長
松澤 美愛先生

東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic

<Edit:編集部>

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