
人工甘味料は摂りたくない。砂糖もイヤ!でも摂取カロリーが気になる人へ。医師解説 (2/2)
医師がおすすめ! 体に優しい代替甘味料はコレ
「お菓子を買う時に、カロリー表示を気にする方は多いと思いますが、甘味料にも注目しましょう。アスパルテーム、アセスルファムKといった人工甘味料の安全性に関しては多くの議論があり、敬遠する方も多いと思います。肥満症の治療においても、人工甘味料の積極的な摂取は推奨していません※。私がオススメするのは糖アルコールです」と袴田先生は語ります。
糖アルコールとは、糖質に水素を添加(還元)したり、発酵したりすることにより得られる甘味料です。
糖アルコールは、多量に摂取するとお腹が緩くなったり、張りが出たりし、注意が必要ですが、血糖値が上がりにくい糖と言われています。アルコールという名前がついていますが、いわゆる酒類とは異なります。
袴田先生は具体的なアドバイスとして、「ノンシュガーを選ぶなら、オススメの甘味料は糖アルコール。還元水飴やエリスリトール、キシリトールといった表示のあるお菓子を選びましょう」と強調します。
選ぶ際には、原材料表示を確認し、これらの糖アルコールが使用されているものを選ぶとよいでしょう。
ノンシュガーの意外な健康メリット
ノンシュガーのメリットは、カロリーオフだけではありません。
「虫歯菌を代表するミュータンス菌は、砂糖、果糖などの糖が大好物で、糖アルコールには見向きもしません。そのため、特定保健用食品のお菓子で、虫歯の原因とならない甘味料として、糖アルコールのキシリトールがよく使われています」と袴田先生は説明します。
とくに、日常的にお菓子を楽しむ習慣がある方や、お子さんのおやつとして提供する際には、虫歯予防の観点からもノンシュガーのお菓子を選ぶことが有効かもしれません。
お菓子の楽しみを奪わない健康的な付き合い方
無理なダイエットを行うと、リバウンドを招きます。生活からお菓子の楽しみを奪うのではなく、上手に付き合っていくことが大切です。
キャンディは手軽にさまざまな味を楽しめて、食生活に潤いを与えてくれる食品です。とくにのど飴はのどを潤すのにも役立ち、日々の生活に欠かせないアイテムとなっています。
「のど飴も還元水飴を使用したノンシュガーを選び、キャンディとしての楽しみとのどを潤すアイテムとして役立てましょう」と袴田先生はアドバイスします。
健康を意識しながらも、生活の質を下げないためには、単に制限するのではなく、賢く選ぶ知識を身につけることが重要です。
ノンシュガー菓子の種類も増えている現在、自分に合った商品を見つけて、健康的な生活と甘味の楽しみ、両方を手に入れましょう。
監修者プロフィール
袴田拓先生
新百合ヶ丘総合病院 予防医学センター・消化器内科部門部長
1967年生まれ。茨城県つくば市出身。医学博士。日本肝臓学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本人間ドック学会人間ドック健診専門医・指導医。薬物治療や技術先行の医学界に漠然と問題意識を感じる中、テレビ番組のニーズに応えて医師があまり重視しない栄養分野のコメントを繰り返すうち、栄養医学の真の重要性に気付く。
<Edit:編集部>