2025年6月2日

歯科医に聞いた!「チーズで初期の虫歯が治る」ってホント?

チーズには、歯の再石灰化を助ける成分が含まれており、ある条件下では虫歯の進行を食い止める可能性があるのだとか。今回は、そんな気になる“チーズと虫歯の関係”について、歯科医の菊地 由利佳先生にお話を伺いました!

Q.「チーズで初期の虫歯が治る」って本当?

A.初期であれば期待できそう

WHOのレポートによると、チーズを食べる習慣は、歯の修復(再石灰化)を促すと考えられています。そのため、初期虫歯であれば改善に役立つ可能性があります。

歯の再石灰化には、唾液の働きが関係しています。チーズを食べると酸性に傾いた口内が「アルカリ性」になり、よく噛むことで唾液が分泌されます。

さらにチーズには「リン酸カルシウム」が豊富に含まれているため、唾液にミネラル成分が供給され、歯表面のエナメル質が修復されやすくなります。

また、「歯表面を保護する膜」を形成する作用もあるため、酸から歯を守り、虫歯予防にもつながります。

「硬め」チーズを「食後」に食べるのがおすすめ!

少し硬いタイプのプロセスチーズ、ナチュラルチーズなどがおすすめです。食べるタイミングは、食後に2~3口程度。

よく噛んで食べることが虫歯予防に有効と考えられています。

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また、口の中(身体の中)がアルカリ性になると、唾液の働きが向上し、歯を溶かす「酸性の状態」になる時間を減らしてくれます。

口の中をアルカリ性にする、以下のような物を食べるといいでしょう。

・チーズ
・梅干し
・海藻類(ひじき、わかめ、昆布等)
・豆類(大豆、インゲン豆等)
・野菜全般(さつまいも、ごぼう、ほうれん草等)

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監修者プロフィール

歯科医
菊地 由利佳

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。