
なぜ無意識に「歯を食いしばる癖」が出てしまうのか?ストレス以外にも“意外な要因”が!
「気づくと歯をギュッと食いしばっている」「朝起きたら顎がだるい」それ、もしかすると『歯の食いしばり』のサインかも。
ストレスや噛み合わせの乱れなどが原因で起こる歯の食いしばり。放っておくと、頭痛や肩こり、さらには歯のダメージにつながることも。
本記事では、歯科医の菊地由利佳先生監修のもと、歯の食いしばりの主な原因から、今すぐできるセルフケア、歯科での治療法までを詳しくご紹介します。
無意識に歯を食いしばってるかも! 歯の食いしばりサイン
無意識のうちに歯に強い力をかけてしまう「食いしばり」。以下のような症状がある人は注意が必要です。
- 顎の痛みやだるさ
- 歯がしみる、痛む
- 頭痛や首・肩のコリ
- 歯が平らにすり減っている
- 起床時の違和感や疲労感
歯の食いしばりはなぜ起こる? 原因はストレスだけじゃない
食いしばりの背景には、さまざまな要因があります。
ストレスによる自律神経の乱れによるもの
交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなることで、無意識に歯を食いしばることがあります。
生活習慣・体のクセによるもの
- 噛み合わせのズレ
- 奥歯だけで噛むクセ
- 詰め物や義歯の不具合
- 重い荷物を持ち上げる作業やスポーツの習慣
- 飲酒・喫煙による睡眠の質の低下
これらの習慣は、日常的に無意識のうちに顎や咬筋に負担をかけ、食いしばりを助長してしまう原因になります。意識的に生活を見直すことが大切です。
どうしたら歯の食いしばりを止められるのか?
歯を噛み締めないよう、上下の歯を離すクセをつけましょう。「歯を食いしばらない」と書いたメモを貼って意識づけを。
また、猫背にならない、顎を前に出さないなど、正しい姿勢を心がけましょう。30~60分に一度は肩や首のストレッチをしましょう。長時間同じ姿勢をするのもNGです。
また、音楽や会話、美味しい食事など、リラックスできる時間を大切にしましょう。
食べ方の見直しも必要です。
- 硬いものの食べすぎは避けて
- ゆっくりよく噛む習慣を
- アルコールの過剰摂取は控える
食事中の咀嚼バランスや飲酒習慣も、顎や歯にかかる負担に影響します。日々の食べ方を丁寧に意識することが、食いしばり予防につながります。
食いしばりを放置すると、どんなリスクがある?
食いしばりを放置すると、以下のような悪影響が出てきます。
- 知覚過敏・虫歯・歯周病などのお口トラブル
- 歯の破折
- 頭痛、めまい、慢性的な疲労感
症状が長引くと、生活の質(QOL)にも大きな影響を与えるため注意が必要です。
こんな症状があれば歯科を受診しよう
- 朝起きると頭痛や顎の痛みがある
- 歯の表面がすり減っている
- 歯ぐきとの境目が削れている
- 冷たい飲食物で歯がしみる
- 顎の関節やエラが痛い
少しでも思い当たるなら、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯医者で直す場合は? 受けられる治療と費用
マウスピース装着
保険適用で約5,000円~ほど。就寝中の食いしばりから歯を守るため、オーダーメイドのマウスピースを作成します。
噛み合わせの調整
保険適用で約600円〜ほど。詰め物や被せ物の調整・交換などにより、力のバランスを整えます。
歯列矯正(自由診療)
部分矯正:10万円以上、全体矯正:70万円以上、マウスピース矯正:10~100万円以上
歯並びや噛み合わせを根本から整えることで、食いしばりの原因そのものを改善できる可能性があります。
監修者プロフィール
歯科医
菊地 由利佳
歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。