ヘルス&メンタル
2025年10月22日

夜中に目が覚めて眠れないとき、どうする?精神科医に聞いた「対策あれこれ」 (1/4)

実はこの“夜中に目が覚めて眠れない”状態(中途覚醒)は、多くの人が感じている現代の睡眠トラブルのひとつ。加齢やストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が関係しています。

この記事では、夜中に目が覚めてしまったときに試せる対処法について、神谷町カリスメンタルクリニック院長の松澤美愛先生監修のもと紹介します。

夜中に目が覚めたとき、スムーズに再入眠するには?

夜中に目が覚めてしまい、「このまま眠れなかったらどうしよう」と焦ると、かえって脳が覚醒し、余計に眠れなくなってしまうことがあります。まずは「眠れなくても大丈夫」とプレッシャーを解きほぐしてから試してみてください。

深く呼吸を整える

軽く目を閉じたまま、ゆっくりとした呼吸を意識して行いましょう。鼻から4秒吸って、口から8秒でゆっくり吐くペースが効果的です。これにより副交感神経が優位になり、再び眠りやすい状態に切り替わります。

編集部のコメント
秒数を意識しすぎてぎこちなくなるので、「吐く息を長くする」だけ実践しています

“眠れない”ことを考えすぎない

「また寝なきゃ」と意識すればするほど、脳は興奮しやすくなります。「起きても大丈夫」「体を横にしているだけでも休息できている」と気持ちを切り替えることで、プレッシャーが軽減されます。

編集部のコメント
頭の中のおしゃべり(思考)を止めるだけでも、入眠しやすくなります。何かを思い浮かべてしまったら、また“無”に戻すことを繰り返します。

起きてていいやモードを演じる

あえて「このまま眠れなくてもいいし」と余裕のある自分を装います。本音は焦っていても、「眠れない自分を責めない」「そのまま横になってるだけで休めている」と心の中で言ってみるだけで、プレッシャーが抜けるでしょう。

編集部のコメント
「起きててもいいや」と思えないのは、明日のことが心配だから。「眠れないこと」も心配ですが「明日のパフォーマンスが下がることへの恐れ」も大きいんですよね。

しかし、アメリカの睡眠研究では「一晩睡眠が短くても、自己評価ほどには認知機能は落ちていない」という結果もあるそうで(※)、明日の電車通勤やお昼休みに眠ろう、というように具体的な行動を決めておくとプレッシャーが和らぎます。

また、完全な睡眠状態ではなくても、目を閉じて静かにしているだけで、マインドフルネスや瞑想を行ったときのように脳と心のリセット効果が期待されます。

(※)Wüst, R. C. I., Strazdins, L., & Lasauskaite, R. (2024). Impact of one night of sleep restriction on sleepiness and cognitive function: A systematic review and meta-analysis. Sleep, 47(5), zsae005. https://doi.org/10.1093/sleep/zsae005

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