【専門家監修】なぜ愛着障害があると恋愛で悩みやすい?その理由と、今日からできる対処法 (1/7)
「彼の気持ちが分からなくて、何度も確認してしまう」「距離を縮めたいのに、怖くて本音が言えない」「些細なことで不安になって、関係がうまくいかない」。恋愛での悩みの裏には、「愛着のくせ」が影響しているかもしれません。
この記事では、愛着障害と恋愛の関係を分かりやすく解説し、今日から実践できる対処法をお伝えします。監修は神谷町カリスメンタルクリニック院長・松澤 美愛先生です。
幼少期の愛着障害は恋愛にどんな影響を与えるか
恋愛がうまくいかない理由を考えるとき、「自分の性格のせい」と思いがちです。しかし、その背景には幼少期に形成された「愛着」のパターンが関係していることがあります。
医学的な「愛着障害」は、主に子どもに対する診断名です。DSM-5の診断では、5歳までの発症とされ、それまでのあいだに、ネグレクトや虐待などによる養育環境の問題がある場合に考慮されます。
大人の問題で「愛着障害」という言葉が使われるとき、多くの場合は正確には「愛着スタイル(愛着パターン)」のことを指しています。
愛着スタイルとは
愛着スタイルとは、幼少期の養育者との関係をもとに形成された、対人関係のパターンです。病気ではなく、性格傾向の一つと考えられています。
心理学では主に4つのタイプに分類されます。ただし各タイプに明確に分かれるわけではなく、一人の人が複数の要素を持ち合わせていることが多いです。
不安型(不安・とらわれ型):見捨てられることを強く恐れ、相手の愛情を繰り返し確認したくなる、情緒が安定しない
回避型(回避・拒絶型):親密な関係を避け、一定の距離を保とうとする、無関心
恐れ・回避型(恐れ型):親密さを求めながらも同時に恐れ、近づいたり離れたりを繰り返す、開示できないが人に頼りたい気持ちも強い
安定型(安定・自律型):バランスよく他者と関わり、健全な依存関係を築ける
多くの人が何らかの愛着スタイルを持っており、それが恋愛パターンに影響します。努力やカウンセリングによって、安定した愛着スタイルに変化させることも可能です。
この記事では、主に「愛着スタイル」の観点から恋愛の悩みにアプローチします。 ただし、深刻なトラウマや日常生活に支障がある場合は、専門的な支援が必要です。
記事の後半で受診の目安もお伝えしますね。
次:愛着スタイル別に見る恋愛の特徴








