【専門家監修】なぜ愛着障害があると恋愛で悩みやすい?その理由と、今日からできる対処法 (7/7)
個人間で解決できないときもある。こんなときは専門家へ相談を
セルフケアや二人での努力だけでは難しい場合もあります。専門家の力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。
以下のような状況では、早めに専門家に相談することをおすすめします。
強い不安や依存がある場合
- 相手のことが四六時中頭から離れない
- 相手の居場所を常に把握していないと不安
- 相手なしでは生きていけないと感じる
- 自傷行為や自殺念慮がある
- 相手を束縛・監視してしまう
- ストーカー的な行動をとってしまう
トラウマの影響が大きい場合
- 過去の虐待やDVのフラッシュバックがある
- 親密な関係になるとパニックになる
- 身体的な接触が極端に怖い
- 悪夢や不眠が続いている
- 日常生活に支障が出ている(仕事に行けない、食事が取れないなど)
関係が破壊的な場合
- 何度も別れと復縁を繰り返している
- 暴言や暴力がある
- お互いが精神的に疲弊している
- 経済的・社会的な問題が生じている(借金、失業など)
- 周囲から関係を心配されている
恋愛以外にも影響が出ている場合
- 仕事に集中できない
- 友人関係がうまくいかない
- 家族との関係が悪化している
- 身体症状が出ている(頭痛、胃痛、不眠など)
これらの状態は、もはや「恋愛の悩み」を超えており、専門的な介入が必要です。
どこに相談すればいい? 相談先の選び方
公認心理師・臨床心理士によるカウンセリング
話を聞いてもらい、自分の気持ちを整理したい、具体的な対処法を学びたい場合に適しています。愛着スタイルの理解や、コミュニケーションスキルの向上に取り組めます。
料金は1回5,000円〜15,000円程度(保険適用外が多い)。継続的に通うことで効果が現れます。
心療内科・精神科
不安やうつ症状が強い、眠れない、日常生活に支障がある場合は、医療機関を受診します。必要に応じて薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬など)を受けられます。
保険適用で、初診3,000円程度、再診1,000円程度。カウンセリングと並行することも可能です。
カップルカウンセリング・カップルセラピー
二人の関係性そのものに悩んでいる場合、二人で受けるカウンセリングが効果的です。第三者の視点から、コミュニケーションパターンを見直し、より健全な関係を築く方法を学べます。
DV相談窓口(暴力がある場合)
身体的・精神的暴力がある場合は、まず安全を確保することが最優先です。
DV相談ナビ: #8008(はれれば)
各自治体の配偶者暴力相談支援センター
「自分が悪いから」と思わず、安全な場所に避難し、専門家に相談してください。
どこに相談したらいいか分からないとき
- 自治体の精神保健福祉センター
- 保健所の健康相談
- こころの健康相談統一ダイヤル: 0570-064-556
「こんなことで相談していいのかな」と迷う必要はありません。早めの相談が、より早い回復につながります。
監修者プロフィール
神谷町カリスメンタルクリニック院長
松澤 美愛先生
東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic
<Text:外薗 拓/Edit:編集部>








