太りたいのに太れない理由と健康的に体重を増やす方法|糖尿病専門医が解説 (1/3)
痩せたいと悩む人がいる一方で、「太りたいのに太れない」と感じる人も少なくありません。十分に食べているつもりでも体重が増えず、原因が分からず不安になることも。
「なぜ太れないのか?」ダイエット外来を担当する、糖尿病専門医・押切 佳代先生に聞きました。
太りたいのに太れない、なぜ?
「太れない原因は、摂取カロリー不足、胃腸の吸収低下、食が細いこと、睡眠やストレスの影響などが重なるためです。
ご飯とたんぱく質を軸に1日5〜6回食べ、軽い運動で食欲と筋肉量を整えることが有効です。ただし、急な体重減少や食欲不振、下痢や腹痛が続く場合は病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せず医療機関へ相談してください」
太りたいのに太れない…考えられる「5つの原因」
太りたいと感じながら体重が増えない背景には、複数の要因が重なっている場合があります。食事や体質だけでなく、胃腸や生活習慣が影響することもあります。
原因1:摂取カロリー不足
「食べているつもり」でも、消費カロリーを下回ると体重は増えません。活動量が多い人ほど必要エネルギーも増えやすく、思っている以上に不足しているケースが多いです。
摂取と消費の差を把握するために、数日間の食事記録をつけると傾向が見えます。必要な量を知ることが増量のスタートラインになります。
原因2:食が細い/食事リズムが不安定
少量しか食べられない、食事時間がバラバラという状態では、1日の総摂取エネルギーが不足しがちです。忙しさで抜食が続く場合も、増量が難しくなります。
1回の量が食べられない場合は、回数で補う方法が適しています。こまめな食事は消化の負担も軽くなり、胃腸の働きも整いやすくなります。
原因3:胃腸の消化吸収力が弱い
胃もたれや軟便が続く場合、胃腸の働きが低下している可能性があります。食べても吸収が追いつかず、体に栄養として蓄えられにくくなります。
冷たい飲み物や早食いは胃腸の負担になるため避けたほうが安心です。消化に優しい食材や温かい料理を選ぶことで吸収の効率が上がります。
原因4:睡眠不足・ストレスによる食欲低下
ストレスが高い状態では、胃腸の働きが低下しやすくなります。自律神経の乱れは食欲の低下にも繋がり、太りたいのに太れない原因になります。
睡眠不足もホルモンバランスを乱し、筋肉の合成を妨げる場合があります。食事だけでなく、生活リズムの見直しも重要な要素になります。
原因5:遺伝的に太りにくい体質(褐色脂肪など)
生まれつき基礎代謝が高い体質の人は、同じ量を食べても体重が増えにくい傾向があります。家族に痩せ型が多い場合、同じ傾向が遺伝することがあります。
そのような体質でも増量は可能ですが、食事量や運動の工夫が必要です。自分の特徴を理解して、無理のない範囲で習慣を整えます。
太りたい時は「食事7割」で取り組むのが成功のカギ
増量を成功させるためには、「食事 70%、生活習慣 15%、運動 15%」のバランスが取り組みやすく、最も効果が出やすくなります。食事が土台となり、生活リズムと軽い運動が食欲や吸収力を高めます。
食事は体をつくる中心のエネルギー源
食事が増量の中心を占める理由は、筋肉や脂肪をつくる材料になるためです。特に痩せ型の体には、量と頻度を調整した食事が欠かせません。
必要な栄養が整うと、体がエネルギーを蓄えやすい状態になり、体重が増えやすくなります。食事の組み立てが増量の土台をつくります。
生活習慣と運動は食事の効果を高める要素
睡眠とストレス管理は、胃腸の働きを整えて食べたものを吸収しやすい状態に導きます。生活リズムが安定すると食欲も自然に整いやすくなります。
軽い運動は血流を高めて食欲を引き出し、筋肉を刺激して増量をサポートします。負荷の強さより継続しやすさを重視すると、食事の効果が体に反映されやすくなります。
次:健康的に太るための食事方法
「食べても太れない」たった2つの理由。健康的に体重を増やす方法とは
食べても太れない男性へ|痩せ型の原因と健康的に体重を増やす具体的な方法







