太りたいのに太れない理由と健康的に体重を増やす方法|糖尿病専門医が解説 (3/3)
太るための運動と筋トレの考え方
太りたい人にとって運動は、食欲や吸収力を高める大切な要素になります。負荷の強さを調整し、体力や食事量に合わせて運動の取り入れ方を整えることで、体重が増えやすい体に近づきます。
軽い運動で食欲を高める
軽いウォーキングやストレッチは、全身の血流を高めて食欲を引き出す働きがあります。強い負荷をかけなくても、体の巡りが整うことで、食事量を自然に増やしやすくなります。
呼吸が乱れない程度の軽い運動から始めると負担が少なく続けやすくなります。消化が落ちやすい体質の人にも取り入れやすい方法です。
軽めの筋トレで筋肉づくり
痩せ型が健康的に太るためには筋肉の量を増やすことが欠かせません。ただし、いきなり重い負荷をかけると消費エネルギーが増えて体重が減る場合があります。
腕立て伏せやスクワットなど、負荷を抑えた自重トレーニングは取り入れやすく、筋肉の刺激として十分です。週2回から3回のペースで継続すると、筋肉がつきやすい状態を保てます。
■ハードすぎる筋トレは逆効果
重い重量を扱うトレーニングは消費エネルギーが増え、増量を妨げる原因になります。体脂肪が少ない段階ではエネルギー不足に陥りやすく、筋肉の合成も進みにくくなります。
まずは体重を増やし、食事量と活動量のバランスを整えてから負荷を上げると効果が出やすくなります。段階的に運動強度を調整することで、無理なく体重を増やせます。
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太りたいときに避けたいNG行動
増量を目指すときは、食べ方や生活リズムと同じくらい「やらないほうがいい行動」を理解することが大切です。間違った方法は体調を崩したり食欲を落としたりして、増量の妨げになる場合があります。
高カロリーのお菓子に頼りすぎる
高カロリーのお菓子はエネルギーを増やせますが、脂質や糖分が多いため、胃腸に負担がかかります。満腹感が強く、次の食事量が減ってしまうことも考えられます。
栄養が偏りやすく、健康的な増量から離れてしまうため、食事と間食は栄養のある食品を中心に組み立てることが安心です。
夜遅くに大量に食べる食習慣
夜遅い時間は消化機能が落ちやすく、暴飲暴食は胃腸の負担になります。翌日の食欲が落ちる原因にもなり、総摂取カロリーが安定しません。
体重を増やすなら、夕食は適量を早めの時間に済ませるほうが続けやすく、消化吸収も整いやすくなります。
プロテインを飲みすぎて食事が減る
プロテインは手軽な栄養源ですが、多く飲むほど良いわけではありません。満腹感が強くなり、食事量が減って結果的にカロリー不足になる場合があります。
体重を増やす目的で使うときは、食事を基本にしながら補助として取り入れることが大切です。
痩せたまま強すぎる筋トレを続ける
重い重量を扱う筋トレは消費カロリーが増え、体重が減る原因になります。エネルギー不足の状態では、筋肉が思うように増えず負担ばかりが大きくなります。
体脂肪と食事量を確保してから負荷を上げることで、筋トレが増量にプラスに働きます。無理なく続けられる負荷から調整することが増量成功の近道です。
体重が増えないときは医師に相談を
増量に取り組んでも体重が増えない場合は、食事や生活習慣だけでは改善できない要因が隠れている場合があります。体の不調が続くときは、早めの受診で原因を明確にすることが安心に繋がります。
急な体重減少や食欲低下は受診のサイン
短期間で体重が落ち続ける場合や、食欲の低下が長引く場合は、体の中で何らかの異変が起きている可能性があります。甲状腺機能の異常や消化器のトラブルなど、専門的な治療が必要なケースもあります。
疲れやすさや動悸、強いだるさを伴うときは、内科や消化器内科での相談が適しています。早めに相談することで、必要な治療や改善策を見つけやすくなります。
胃腸の不調が続く場合は原因の特定が必要
下痢や軟便が続く、腹痛が頻繁に起きるなどの症状は、胃腸の吸収機能が低下しているサインです。食べても体に吸収されない状態では、努力が増量に繋がりません。
胃腸の問題は生活習慣だけでは改善しにくいため、専門医の診察で原因を特定することが大切です。適切な治療で吸収が安定すると、体重が増えやすい状態になります。
対策を続けても増えないときは専門家のサポートが有効
食事量を整え、運動や生活習慣を改善しても体重が増えない場合は、栄養や代謝のバランスに個別の要因がある場合があります。自己判断で無理に食事量を増やすと、体調を崩すこともあります。
管理栄養士や医師による評価を受けることで、自分に合う食事量や栄養の組み合わせが見つかります。専門家のサポートを取り入れることで、増量がスムーズに進む場合があります。
Q&A:太りたい人のよくある疑問
増量に取り組む際には、食事や運動、体質に関する疑問が多く生まれます。悩みやすいポイントを整理しておくと、自分に合う方法が見つかりやすくなります。
Q:ガリガリから太るにはどうすればいいですか?
主食とたんぱく質を中心にした食事を1日5〜6回取り、エネルギー量を安定させることが増量の基本です。軽い運動や十分な睡眠で胃腸の働きが整うと体に栄養が蓄えられやすくなります。急な体重減少がある場合は受診が安心です。
Q:太れない人の主な原因は何ですか?
摂取エネルギーが足りていない状態が最も多く、食事量が安定しない、胃腸が弱い、睡眠不足やストレスの影響が重なると体重が増えにくくなります。生活リズムと食事内容を整えることで改善しやすくなります。
Q:一番太りやすい食べ物はありますか?
白米は消化が良く量を増やしやすいため、増量したい人に向いています。アボカド、ナッツ、卵、牛乳もエネルギーが多く、食事や間食で取り入れやすい食品です。脂質の多い菓子類は胃腸に負担がかかるため控えめが安心です。
監修者プロフィール
押切 佳代(おしきり かよ)
神戸市西区の沢岻(たくし)美奈子女性クリニック院長。糖尿病専門医。女性医療を専門とするクリニックで糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を中心に、女性のライフステージに寄り添った診療を心がけています。健康と美容の両立をめざしたダイエット外来も担当しています。
クリニックHP:takushiminako.com
<Edit:MELOS編集部>

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