完璧主義の原因は「幼少期の家庭環境」にあり?完璧主義な大人の特徴と"マシになる考え方" (3/3)
完璧主義を止める方法はある? 少しマシになる考え方
完璧主義をすっぱりと「やめる」ことは、現実的には簡単ではありません。
長年積み重ねてきた考え方の癖は、一朝一夕には変わらないからです。ただ、少し肩の力を抜き、「マシ」にしていくことはできます。
「80点で十分」と意識してみる
完璧主義の人は、100点を目指して120点分の労力を使いがちです。最初から「今回は80点を狙う」と決めておくと、必要以上に時間と気力を消耗せずに済みます。
残りの20点ぶんのエネルギーを、別の大切なことに使えると考えてみましょう。
「完了」を「完璧」より優先する
仕上げきれない仕事や、提出を先延ばしにしているタスクはありませんか? 「完璧でなくても、まず終わらせる」を合言葉にすると、達成感が積み重なり、結果的に質も上がっていきます。
自分にも「他人と同じ言葉」をかける
友人がミスをして落ち込んでいるとき、「あなたはダメな人間だ」とは言わないはずです。同じ言葉を、自分自身にもかけてみてください。
「次に活かせばいい」「ここまでできただけで十分」と声をかけ続けることが、自己批判の癖をやわらげていきます。
「白か黒か」に気づいて言い換える
「100点じゃないと意味がない」と思ったら、「70点でもさまざまな気づきがあり、価値がある」と言い直してみる。「全部できなかった」と思ったら「できた部分」を数えてみる。
まずは極端な評価に気づくことが、考え方を少しずつ柔らかくしていきます。
失敗を「データ」として扱う
失敗を人格と切り離し「次に活かせる情報」として記録する習慣を持つと、失敗そのものを過剰に怖がらなくなります。
「うまくいかなかった方法が一つわかった」と考えるだけでも、心の負担はずいぶん変わります。
逆にいいこともある! 完璧主義のメリットとは
完璧主義は「つらい」「苦しい」という側面が注目されがちですが、実は大きな強みでもあります。
仕事の質が高い
細部までこだわるからこそ、丁寧で精度の高いアウトプットを生み出せます。「あの人に任せれば安心」と言われる人の中には、完璧主義の傾向を持つ人が少なくありません。
責任感が強い
任されたことを途中で投げ出さず、最後までやり遂げる姿勢は、周囲から信頼を集めます。
準備を怠らない
「いざというときに困らないように」と前もって備える力は、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
目標達成への推進力がある
「もっと良くしたい」という気持ちは、現状を改善し続けるエンジンになります。スポーツ、芸術、研究など、高いレベルを求められる分野では、完璧主義の特性が成果に直結することも多くあります。
ミスに気づく目を持っている
細部に注意を向けられる感覚は、品質管理や校正、医療など、正確さが求められる場面で大きな価値を発揮します。
「やめる」ことではなく、「うまく付き合う」
完璧主義は、長い時間をかけて身についた考え方の癖です。だからこそ、変わるのにも時間がかかります。すぐに変わらなくても、自分を責めずに、少しずつ取り組んでいきましょう。
大切なのは、「やめる」ことではなく、「うまく付き合う」こと。100点を目指したい場面と、80点で手を抜いていい場面を区別できるようになると、完璧主義の強みだけを生かしやすくなります。
完璧主義による生きづらさが大きく、日常生活や仕事に支障が出ているときは、一人で抱え込まずに、信頼できる人やカウンセラー、心療内科などの専門家に相談することも選択肢の一つです。
話すだけで気持ちが軽くなることもありますし、必要に応じて適切なサポートを受けることができるでしょう。
監修者プロフィール
神谷町カリスメンタルクリニック院長
松澤 美愛先生
東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>








