他責思考の人に見られる特徴とは。病気?性格?なぜ人のせいにしてしまうのか (3/3)
他責思考は病気なの? ただの性格?
「ここまで人のせいにするのは、何かの病気では?」と感じる人もいるかもしれません。
結論から言うと、他責思考そのものは病気ではありません。先ほど触れたように、程度の差はあれ、誰にでもある思考のクセの一つです。
ただし、その傾向が極端に強い場合、背景に何らかの特性や状態が関わっていることもあります。
発達障害との関係
発達障害(ASDやADHDなど)の特性により、状況を客観的に把握することや、相手の視点に立つことが難しい場合があります。
その結果、本人に他責の意図はなくても、まわりからは「人のせいにしている」と見えてしまうことがあります。
これは、自分を守るための「他責思考」とは少し異なる仕組みです。
パーソナリティ障害との関係
一部のパーソナリティのあり方では、自分の責任を認めにくく、外罰的になりやすい傾向が見られることがあります。ただし、これも専門的な評価が必要な領域です。
ここで強く伝えたいのは、「人のせいにする人=病気」と単純に結びつけてはいけないということです。
身近な人を「あの人は○○障害だ」と素人判断でラベリングすることは、相手を傷つけるだけでなく、関係をこじらせる原因にもなります。
診断ができるのは医師などの専門家だけであり、本人が困って受診して初めて分かることです。
「病気かどうか」を見極めようとするよりも、「今、自分はこの人とどう関わるか」「自分の心をどう守るか」に目を向けるほうが、ずっと建設的です。
どうしたらいい? 他責思考の人の対処法
身近に他責思考の強い人がいて、振り回されて疲れてしまうこともあるでしょう。ここでは、周囲の人ができる対処法を紹介します。
議論で「勝とう」としない
「それはあなたのせいだ」と正面から論破しようとしても、相手はますます防御を固め、関係が悪化するだけです。相手を言い負かすことを目的にしないほうが、消耗を防げます。
事実だけを、淡々と伝える
感情的にならず、「起きた事実」と「次にどうするか」に絞って話すと、不要な対立を避けやすくなります。「誰が悪いか」ではなく「どうするか」に話題を向けましょう。
相手を「変えよう」としない
他責思考は、本人が気づいて取り組まない限り、まわりが変えることはできません。「変えよう」と頑張るほど、こちらが疲れてしまいます。
自分の心を守る境界線を引く
すべてを真に受けず、「これはこの人の考え方の問題」と心の中で線を引くことが大切です。相手の被害者意識や責任転嫁に、必要以上に巻き込まれないようにしましょう。
距離を取る
関わることで強いストレスが続く場合は、物理的・心理的に距離を取ることも、自分を守るための正当な選択です。
相手を変えることに力を注ぐのではなく、「自分がどう関わり、どう自分を守るか」へと意識を向けることが、周囲の人にとっての一番の対処法になります。
他責思考と言われたら。人のせいにするクセをゆるめる考え方
「あなたは他責思考だ」と指摘されて、ショックを受けたり、納得がいかなかったりしているかもしれません。しかし、その指摘に向き合おうとしている時点で、あなたはもう一歩を踏み出しています。
「自分を責めること」と「事実を確認すること」は違う
他責のクセをゆるめるとは、「すべて自分が悪い」と背負い込むことではありません。
「何が起きたのか」「自分にできたことはあったか」を、フラットに確認するだけです。自分を罰する必要はありません。
まず一呼吸おく
何か問題が起きたとき、「誰のせいか」を考える前に、一度立ち止まってみましょう。とっさに出てくる「でも」「だって」を、少しだけ飲み込む練習です。
一呼吸おく際に深呼吸もセットにすることをおすすめします。深呼吸は自律神経を副交感神経優位に切り替える効果があり、冷静な思考を取り戻すために有効です。

「自分にできたことは?」と問い直す
うまくいかなかったとき、「相手が悪い」で止めるのではなく、「自分には何ができただろう」と一つだけ考えてみます。これは自分を責めるためではなく、「次に活かせる部分」を見つけるためです。
失敗は「人格の否定」ではないと知る
ミスを認めても、あなたの価値は下がりません。「失敗した自分」も「価値のある自分」も両立します。この感覚が育つと、責任を引き受けることがぐっと怖くなくなります。
自分を肯定する土台を育てる
他責のクセは、自己肯定感の低さと深くつながっています。「できたこと」に目を向ける、自分にやさしい言葉をかけるなど、自分を肯定する土台を育てることが、結果的に他責のクセをゆるめていきます。
監修者プロフィール
川谷 潤太 / 株式会社脳レボ

兵庫県神戸市出身。学習塾の講師時代、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う西日本最大の学習塾へと発展させ、講師としても3年連続で支持率第1位の実績を持つ。
その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革と3つの部のチームマネジメントを担当。創部1年、全員1年生で甲子園出場の記録をもつ硬式野球部では3季連続甲子園出場し、プロ野球選手も4名誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部でも日本一や世界一の選手を輩出した。
現在はプロ野球選手などのアスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、主には企業の人材育成に携わり、講演や研修、コンサルなどで日本中から依頼が殺到し、講師デビュー7年で、講演回数1,300回、受講者は10万名を突破。心理的および生理的要因から、ベストパフォーマンスを引き出す専門家として活躍中。
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>











