歯みがきしているのに、むし歯になるのはなぜ?「大人むし歯」予備軍かも!歯科医監修チェックリスト
毎日きちんと歯みがきをしている。子どもの頃はむし歯ゼロだった。それなのに、大人になってから歯科医院でむし歯を指摘された経験はありませんか。
むし歯になりやすいかどうかを分けているのは、歯みがきの回数やみがき方だけではありません。カギを握るのは、歯みがきと歯みがきの「あいだ」の時間の過ごし方です。
日本歯科大学生命歯学部特任教授の羽村章先生に、大人のむし歯の最新事情と、今日からできる新しい口腔ケアについて解説していただきました。
こんな習慣があれば要注意! “大人むし歯”予備軍セルフチェック
大人のむし歯は、日々の何気ない習慣から始まります。次のような項目に心当たりがある場合は注意が必要です。
- 仕事中や日中、お菓子などを度々口にすることがある
- ジュース・エナジードリンク・コーヒーなどを、少しずつ長時間かけて飲むことが多い
- お酒を飲んだ日に、歯みがきをせずに寝てしまうことがある
- 朝起きたとき、口の中が乾いている・ネバついていると感じることがある
- 過去に治療した歯(詰め物・被せ物がある歯)が複数本ある
- 最後に歯科医院で定期チェックを受けたのは、1年以上前である
- 歯みがき以外の口腔ケアを習慣にしていない
当てはまる数が多いほど、歯の表面が酸性のまま放置される時間が長く、“大人むし歯”のリスクを抱えやすい状態かもしれません。
歯みがきしているのに、なぜむし歯に? 犯人は“ちびだら習慣”
口の中では、食事のたびに「脱灰(歯が溶ける)」と「再石灰化(修復)」が繰り返されています。通常であれば、唾液の働きによって食後40分ほどで中性に戻り、溶けかけた歯は修復されます。
ところが、少量の飲食を長時間ダラダラと続ける“ちびだら習慣”があると、歯の表面に付着しているプラークは酸性のまま放置され、再石灰化が追いつかず歯が溶け続けてしまいます。
つまり、歯みがきをしていてもむし歯になるのは、みがき方だけの問題ではなく、歯みがきをしていない“あいだ”の時間に歯の表面が酸性にさらされ続けているからです。

歯みがきに加えて、「インターバルケア」を習慣にできているかどうかが分かれ道になります。
大人むし歯を招く3つの“ちびだら習慣”
① デスクちびだら
仕事中のキャンディ、カフェラテ、エナジードリンク。
② リビングちびだら
ドラマを観ながらのお菓子、家事の合間のつまみ食い。
③ ちびだら呑み
晩酌・飲み会後、歯みがきをせずに就寝。
歯科医が提唱「インターバルオーラルケア」という新発想
羽村先生が提唱するのが、これまでにない新たな口腔ケアの考え方「インターバルオーラルケア」です。
インターバルオーラルケアとは、歯みがきと歯みがきの“あいだ”に行う口腔ケアのこと。朝・昼・晩の歯みがきに“あいだ”のケアを加える、2層構造の口腔ケアです。
1日3回の歯みがきだけでは、脱灰が進む時間帯を守りきれません。とくに次の3つのタイミングでは、“あいだ”のケアが有効だとされています。
インターバルオーラルケアが有効な3つのタイミング
1.間食後……pHが低下し、脱灰が始まるタイミング
2.飲酒後……唾液が減少し、むし歯菌が活発化するタイミング
3.外出先……歯みがきがすぐにできない場面
今日からできる、インターバルオーラルケア2つの行動
1.セルフケア:キシリトール配合ガム
ガムを噛むことで唾液の分泌が促され、酸性に傾いた口腔内のpHが中性域に戻ります。
さらにキシリトールには、①ミュータンス菌に酸を作らせない、②菌の活動・増殖を抑える、③プラークをつきにくくする、という3つの作用があります。「噛むこと」と「キシリトール」のW効果が、歯みがきの“あいだ”を守ります。
選び方のポイントは、「シュガーレス」表示があり、キシリトール含有率50%以上のものを選ぶこと。食事の後や食間に1日3〜5回、3カ月以上続けることが推奨されます。

2.プロフェッショナルケア:3〜6か月に1回の定期チェック
歯科医院では、プラーク付着状況の客観評価、プロフェッショナルクリーニング、高濃度フッ素塗布を受けられます。
インターバルケアが正しくできているかどうかの最終確認は、必ず歯科医院で。みがけない“あいだ”をどう埋めるかの積み重ねが、将来の歯の健康を左右します。
「毎日みがいているから大丈夫」と思っていた人ほど、大人になってからむし歯に悩まされます。大切なのは、みがく回数を増やすことではなく、みがけない"あいだ"をどう守るか。今日からできるインターバルケアで、歯みがきのすき間時間を埋めていきませんか。
監修者プロフィール
日本歯科大学生命歯学部 特任教授/日本フィンランドむし歯予防研究会 理事長
羽村 章(はむら・あきら)先生
日本歯科大学歯学部卒業。フィンランド・トゥルク大学歯学部う蝕学教室に客員講師として留学し、「キシリトールの父」と呼ばれるアリエ・シェイニン教授に師事。1997年に日本フィンランドむし歯予防研究会を立ち上げ、理事長に就任。日本におけるキシリトールの普及に尽力している。
<Edit:編集部>









