ヘルス&メンタル
2026年9月16日

親に「厳しく育てられた人」の特徴とは。幼少期に厳しい家庭で育った人は、こんな性格になりやすいかも (2/2)

厳しいしつけがもたらす影響とは。メリットとデメリットがある

厳しいしつけには、良い面と難しい面の両方があります。厳しさが少なければよいという単純な話でもありません。どちらの面も踏まえたうえで考える必要があります。

厳しい家庭で育ったメリット

規律やルールを大切にする家庭で育つと、責任感や忍耐力、物事に真摯に取り組む姿勢が身につきやすくなります。

目標に向かって努力を続ける力や、社会のルールを守る意識が育ちやすいのも、厳しいしつけのポジティブな側面と言えるでしょう。

困難な状況でも粘り強く取り組める力は、大人になってからも大きな強みになります。

厳しい家庭で育ったデメリット

一方で、厳しさが行き過ぎると、自分の気持ちを素直に表現しにくくなったり、失敗を過度に恐れたりする傾向が強まることがあります。

常に評価を気にしながら過ごすことで、心が休まる時間が少なくなってしまう人もいるでしょう。

挑戦する前から「失敗したらどうしよう」という不安が先に立ち、新しいことに踏み出しにくくなるケースもあります。

子どもの頃に我慢が多かった人の特徴とは?大人になって現れやすい「とある傾向」子どもの頃に我慢が多かった人の特徴とは?大人になって現れやすい「とある傾向」

「大事にされている・愛されている」と「厳しすぎる躾」の違い

ここで悩むのが、子どもの将来を真剣に考えて愛ゆえに厳しくしている場合と、ただ厳しすぎる躾の違いです。どう異なるのでしょうか?

しつけの厳しさそのものより、そこに愛情や温かさが伴っているかどうかがポイントです。

子どもの言い分に耳を傾け、応えようとしているか

発達心理学では、親の関わりを「どれだけ子どもに求めるか」と「どれだけ子どもの求めに応えるか」という二つの軸で捉える考え方が知られています(アメリカの発達心理学者バウムリンドによる分類)。

この考え方によれば、求める水準が高くても、子どもの言い分に耳を傾け、応えようとする関わりであれば、子どもは自立と安定した自己肯定感を育みやすいとされています。

一方、期待や規律だけが高く、温かさが伴わない場合には、自己肯定感の低下や不安につながりやすいでしょう。

厳しさそのものが問題なのではなく、その厳しさに「あなたのことを大切に思っている」という気持ちが伴っているかどうかが分かれ目になるのです。

「あなたのためを思って」は本当に子どものためになっているのか

「あなたのためを思って」という言葉であっても、子どもの気持ちを置き去りにした一方的な要求が続く場合は、注意が必要です。

近年では、こうした善意に基づく行き過ぎたしつけが「教育虐待」として問題視されることもあります。子どもが受け止められる限度を超えて、勉強や習い事、進路の選択を強いる行為を指す言葉です。

「子どものため」が「虐待」に。小児科医が警鐘を鳴らす「教育虐待」とは

大切なのは、厳しさの中に「あなたを大切に思っている」という気持ちがきちんと伝わっているかどうか。

もし、自分の育った環境を振り返って苦しさを感じる場合は、一人で抱え込まず、公認心理師や臨床心理士などのカウンセラー、お住まいの自治体が設けている心の健康相談窓口など、専門家に話を聞いてもらうことも選択肢のひとつです。

読んで不安になった方へ。監修者からのメッセージ

ここまで読んで、いくつか思い当たった方もいるかもしれません。最後に三つだけ、お伝えしておきたいことがあります。

一つめ。当てはまったからといって、この先そうなると決まったわけではありません。ここで挙げたのはあくまで傾向であり、同じ家庭で育っても表れ方はまったく違います。

二つめ。この記事は、親を責めるためのものではありません。当時の親には当時の事情があり、多くの場合、本人はよかれと思ってやっています。原因を特定したところで、過去は変わりません。それより、今の自分がその基準に縛られていないかを見るほうが、ずっと役に立ちます。

三つめ。もし今、子育ての最中にこの記事を読んでいるなら。厳しくするのをやめる必要はありません。確認したいのは、その厳しさが伝わっているかどうかだけです。叱ったあとに理由を伝えているか。子どもが言い返してきたとき、最後まで聞けているか。この二つができていれば、多少厳しくても、子どもには届いています。

参考
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)「子育てのあり方と倫理観、幸福感、所得形成-日本における実証研究-」 

監修者プロフィール

貞盛 秀明(さだもり ひであき)

ボーダレススター 貞盛さま プロフィール元小学校教諭。特別支援学校小学部の担任も経験。教員歴十数年、進学塾講師を含めるとおよそ二十年。現在はオンライン専門の教育相談室「ボーダレススター」を運営し、不登校・発達の特性・学習のつまずき・学校との関係づくりについて、保護者と子どもの相談を全国から受けている。小学校・特別支援学校・幼稚園教諭免許、JADP認定上級心理カウンセラー。
ホームページ:https://www.borderless-star.com/
Instagram:https://www.instagram.com/borderless_star/

<Text:外薗 拓 Edit:編集部>

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