インタビュー
2019年3月2日

正しくカラダを使えば、楽器もスポーツも上手くなるってホント⁉ ミュージシャンあだち麗三郎の身体論 (2/2)

カラダを知れば全ての動きが上達する

 あだちさんが教えるこれらの動きは、いろいろなボディワークの知識に基づいています。主なものはアレクサンダーテクニーク、ロルフィング、座禅、野口整体、気功、古武道、ヴォイスヒーリング。そのほか、さまざまなヒーリングなども参考にしているそうです。

「最初はたくさんの楽器を効率良く覚えたくて、楽器の上手な人の動きを研究するところから始めました。体のことを知っていくうちに、効率の良い動きをすると“体自体が気持ちいい”ことが楽しいと感じるようになり、体に関するさまざまなワークショップに学びに行くようになりました」(あだちさん)

 こうした体を理解する体験は、気持ちいいだけではなく、全てのスポーツにも役立つと言います。

「カラダの仕組みを知ることで、内側から動く力を養い、無駄な力を使わず最大の効果を出せるようになります。例えば、息をたくさん吸うためには、肋骨や背中が広がっていたり、首をラクな状態に整えることが大事です。そうして呼吸を整えることで、全てのスポーツでラクに力を出せるようになる。皆さん、力を出す訓練はしているけど、抜いてパフォーマンスを上げる方法はあまり教わっていない。内側の感覚に気づいていない人は多いはずです」(あだちさん)

 ということは、運動の苦手な人でもラクにスポーツができるようになるのでは? と訊くと、「そうなんです!」とあだちさん。

「意識をちょっと変えるだけで自分のカラダが変わるということを、一番に伝えたいんです。例えば、腕を上げるというのは腕だけではなく、肩や胸のあたりから動作が始まっている。運動神経の悪い人というのは、腕は腕だけで動かすと思っている。自分のカラダを観察して変化に気づくように感覚の精度を上げると、パフォーマンスが上がってスポーツも楽器も上手くなります。運動神経が悪いと悩んでいるお子さんなどに、特に教えてあげたい。簡単なコツで上手くできるようになりますから」(あだちさん)

 あだちさんのワークショップは、誰でも参加できます。楽器やスポーツが上手になりたい人はもちろん、体育の時間が苦痛なお子様も、ぜひ参加してみてください。きっと、スポーツがもっと楽しくなりますよ。

[プロフィール]
あだち麗三郎(あだち・れいさぶろう)
1983年1月生まれのシンガーソングライター。18歳からドラムとサクソフォンでライヴ活動を始め、数々のアーティストと共にマルチプレイヤーとして音楽活動を行う。現在、最新シングル『夏の化身 c/w プラネタリウム』を配信中。
URL:http://www.reisaburo.info/

《ワークショップ情報》

高田馬場駅周辺にて月イチで開催。1時間半3000円。次回は2019年3月31日(日)20:00~21:30。個人ワークは1時間4000円。地方での出張ワークショップも開催。
URL:http://www.reisaburo.info/index.html
お問い合わせ:adcr3o@gmail.com

<Text & Photo:長谷川京子(H14)>

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