インタビュー
2017年11月21日

子どものころ、すべては与えてもらえなかった、だからこそ夢もチャレンジ精神もずっと持ち続けている。モーグル伊藤みき(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #5 (1/2)

 スポーツ界の第一線で活躍するアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのように現在のプレーに活かされているか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 モーグルの伊藤みき選手のご両親は高校の体育の先生でスポーツ万能。その影響を受けて、伊藤選手は小さなうちからさまざまなスポーツを経験したそうです。しかし、両親は「スキーでごはんは食べられない」というスタンス。スポーツだけでなく勉強もしっかりするように厳しく教育しました。それがいま、競技生活にどのように役立っているでしょうか。

▼前編はこちら

好奇心いっぱい!習い事は「できれば月曜から金曜まであれこれ日替わりがいい!」という子でした。モーグル伊藤みき(前編)【子どもの頃こんな習い事してました #5】 | 子育て×スポーツ『MELOS』

やる気と関係なくやるべきことはやる

――「スキーではごはんを食べられない」とご両親に言われてどう思いましたか。

反抗しかないですよね。でも、そういうふうにいってもらえてよかったなと思います。どの時間も“食べる”“寝る”“勉強する”“トレーニングする”のどれかをしていろと言われていましたし、実際にそうだったんです。家にトレーニングするためのジムもありましたし。小さいときにずっとそういう生活だったので、今、少々忙しくても全然忙しく感じない。社会人になってスキー一本になったときは、むしろ気持ちが楽でした。学生のころは勉強しなきゃ、何か学ばなきゃという思いがずっとありました。

――スポーツも勉強も、とにかく厳しい。子どもがやりたいと思うことを陰ながらサポートするというタイプの親御さんではなかったわけですね。

そうですよ! 私だってそういう親のほうがよかったと思ってるんですけど、そうじゃなくてもスポーツを足がかりに社会に出られる人もいると、これを読んでいるみなさんに思っていただければと(笑)。

――そんな厳しくても家族仲がいいからまっすぐ育ったんですね。

今は感謝しています。だって私の思いのままにやっていたら、バレエもやるわ、お花もやるわ、お茶もやるわでたいへんなことになっていたと思う。

――いろんな経験が今競技に役立ってると思うことはありますか。

私はもっともっといろんなことをしたかったけれど、それでも比較的いろんなことをさせてくれて、特に、走る、泳ぐ、投げるという基本的な動作を教えてくれたことはよかったと思います。結局、スポーツって自分の身体をこう動かしたいと思った通りに動かせるかどうかですから、基本動作を小さなころに身につけられたことは大きい。

それと、スポーツだけでなく勉強しなければならなかったこともプラスになっています。自分の意志とは関係なくやらなきゃいけないことはやる。練習もしたいときとしたくないときの波はどうしてもあるけれど、やる気に関係なく与えられた環境のなかでどこまでできるかということは、長く競技していく上で大切です。

――英語は海外遠征に役立っていますか。

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