きのこの食べ過ぎ、どんなデメリットがある?どれくらい食べるとダメなのか[管理栄養士監修] (1/2)
ダイエットの強い味方になってくれる「きのこ」ですが、食べ過ぎると下痢になる・太る・腎臓に悪いなどの噂があります。これって本当はどうなのでしょうか?
きのこを食べ過ぎるとどうなるのか、どれくらいから食べ過ぎとなるのか。吐き気や気持ち悪さが出た際の対処法などを、たいや内科クリニック管理栄養士・林 安津美(はやし あつみ)さんに聞きました。
きのこの食べ過ぎは、体に害がある?
きのこの食べすぎ自体が、体に害を及ぼすわけではありません。しかし、食べ過ぎることで体調不良を引き起こす可能性が考えられます。
また、どの食べ物にも言えることですが、特定の食材ばかりを食べる偏食はNG。摂取する栄養素が偏ると、栄養不足・免疫力の低下・肥満や糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。
「きのこは食べない方がいい」は極端すぎる
偏食をおすすめしないだけであって、きのこを食べない方がいいというわけではありません。きのこは栄養価が高く、低カロリーで健康に良い食材の1つです。
きのこを食べることで、以下などの効果が期待できます。
- 腸内環境の改善
- 抗酸化作用による様々な疾患リスクを軽減
- 免疫力の向上
ただし、きのこにアレルギーが出る人はもちろん食べない方が良いです。
きのこを食べて、口腔内のかゆみ・鼻水・蕁麻疹などの症状が出る人は、アレルギー反応が出ている可能性が高いので、クリニックでアレルギー検査をしてもらうと良いでしょう。
「きのこを食べ過ぎると下痢になる」ってホント?
ホント!
きのこの食べ過ぎで下痢になる可能性は、考えられます。
きのこは、種類によって消化されにくいもの(キクラゲ・まいたけ・えのきなど)があります。これらを食べ過ぎると、胃腸系に負担がかかり、下痢になることがあります。
また、きのこは不溶性食物繊維が豊富です。この不溶性食物繊維の「便のかさを増やし、腸の運動を刺激する」という働きから、大量に摂取すると、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
「きのこの食べ過ぎでガスが溜まる、おなら出る」はホント?
ホント!
きのこの食べ過ぎで、腸内にガスが溜まり、おならが増加することがあります。
- 食物繊維の働き
きのこには食物繊維が含まれています。食物繊維は、腸内でバクテリアによって発酵され、ガスを生成します。 - ポリオールという成分
種類によってきのこには「ポリオール」という成分が含まれており、これが消化不良を引き起こし、結果的にガスを生成することがあります。
適量の摂取とバランスの取れた食事を心掛けることで、ガスやおならを緩和できるでしょう。
「きのこでも食べ過ぎると太る?」ってホント?
ウソ!
きのこ自体は、低カロリーかつ栄養豊富であるため、太るとは考えにくいです。「きのこの食べ過ぎで太る」という場合は、調理法に問題があるかもしれません。
ただし、油やバターで炒めたり、クリームソースをたっぷり使った料理に入れたりすると、きのこ以外の食材でカロリーが増え、太る可能性があります。
「きのこの食べ過ぎで便秘になる」ってホント?
ホント!
きのこは食物繊維が豊富なため、便秘解消に役立つ食材です。そのため、「きのこの食べ過ぎで便秘になる」ことは、一般的に考えにくいです。
しかし、あまりにも食べ過ぎると、消化に必要な水分が不足し、便秘を引き起こすことがあります。食物繊維を多く摂取する場合、十分な水分を摂取することが重要です。
「きのこの食べ過ぎは腎臓に悪い」ってホント?
明確な根拠はない!
「きのこの食べ過ぎは腎臓に悪い」という情報に、明確な証拠はありません。
確かにきのこには、腎臓疾患の人が控えるべき「カリウム」「リン」や、腎臓結石のリスクを高める「プリン体」などが入っていますが、あまりにも食べ過ぎなければ安心してよいでしょう。
腎臓への影響が心配な場合は、他の食材との組み合わせや摂取量に注意すると良いでしょう。