ウェルネスフード
2024年10月22日

りんごダイエットの効果とやり方。痩せる食べ方・太る食べ方

「りんごダイエット」と聞くと、思い出す方も多いかもしれません。1980年代、歌手の荻野目洋子さんが、すりおろしたりんごだけを食べてダイエットに成功したことから話題となったダイエット法です。

ただ、後に荻野目さんは、「ずいぶんとマスコミに取り上げられて、マネをする人がいなければいいな。体重は落ちたけれど、体調も崩してしまったから」と語っています。

体調を崩してしまったのでは、元も子もありません。そこで、今回は令和版「ダイエットを成功へ導くりんごダイエットの方法」を探っていきます。

「単品ダイエット」は昭和のダイエット!

まず、これまでのダイエット法を振り返ってみます。

80年代は、りんごだけではなく、パイナップルダイエットやバナナダイエットなど、ひとつの食材だけを数日間食べて痩せるダイエットが流行しました。

たしかに、カロリーの少ないものだけを食べれば体重が減り、痩せることはできます。しかし、結果的に以下のようなデメリットも“あるある”でしょう。

  • その食材を嫌いになった(それだけを毎日食べ続けるため)
  • リバウンドしてしまった
  • 栄養バランスの偏りによる体調不良

令和のダイエットは、普段の食事に取り入れていくやり方で食生活への変化を促す。こちらが主流となっています。今回の令和版りんごダイエットも、この考え方に沿って考えていきます。

ゆめゆめ、すりおろしたりんごだけを3食、毎日食べることのないよう、お願いいたします。

りんごダイエットで期待できるメリット

糖質代謝を促進する

りんごに含まれるポリフェノール「プロシアニジン」には強い抗酸化作用があり、脂質や糖の代謝によい影響を及ぼすとされています。

整腸作用・便秘改善

りんごは食物繊維を多く含んでいます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、両方の働きによって便が増え、スムーズに排泄されます。

むくみ改善

りんごには、むくみの予防・改善をサポートするカリウムを多く含みます。

むくみなんて一時的でしょ? なんて思うのはもったいない! 体重は変わらずとも、むくみがちな場合、一回り大きく見えます。むくみ解消は見た目の改善にも役立つのです。

血糖値の急上昇を防ぐ

りんごは低GI 食品です。GI 値とは血糖値の上がりやすさを表す数値で、血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌され、余分な糖が脂肪として蓄積されやすくなります。

そのため食事の際、低GI 値食品を取り入れることは、ダイエットに有効と言えます。

満腹感を高める

りんごは食物繊維も豊富で腹持ちが良く、嚙み応えがあるため満腹感に繋がるでしょう。

リンゴを毎日食べるとどんな効果があるの?りんごの栄養と食べるメリット

りんごのカロリーと栄養素

では、小さめの生りんご1個(小さめ・200g)あたりのカロリーと栄養素をチェックしていきましょう。

生りんご(皮付き/可食部200g)

カロリー 112kcal
炭水化物 32.4g(食物繊維25.8g、糖質3.8g)
タンパク質 0.4g
脂質 0.6g
カリウム 240mg
カルシウム 8mg
マグネシウム 10mg
リン 24mg
鉄 0.2mg
亜鉛 0.2mg
ビタミンA (β−カロテン当量) 54μg
ビタミンE 0.8mg
ビタミンK 4μg
ビタミンB1 0.04mg
ビタミンB2 0.02mg
ナイアシン 0.2mg
ビタミンB60.08mg
葉酸 6μg
パントテン酸 0.10mg
ビオチン 1.4μg
ビタミンC 12mg
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

令和版りんごダイエットのやり方と注意点

いよいよ、りんごを活用したダイエット方法です。

りんごは1日「2分の1」を目安に食べる

りんごの1日の摂取量目安は、2分の1。半分です。少ないと思われるかもしれませんが、小さめのりんご1個あたり100kcal前後あります。

おやつや補食にりんごを代用するのが取り入れやすいでしょう。

もちろん、カロリーが基礎代謝+身体活動レベルを超えないよう調整する必要があります。食べ過ぎてしまってはダイエットになりません。

朝のフルーツは“金”! 食べるタイミングは朝がオススメ

りんごには食物繊維が多く含まれます。腸内環境を整え排便を促すためにも、朝がおすすめです。

栄養バランスを整えるため、ヨーグルトなども添えるとさらに良いでしょう。

りんごには糖質が多く含まれています。寝る前に食べるとなかなか糖質が代謝されにくく、脂肪に変わりやすくなりますので、注意が必要です。

夕食時はOKです。

皮ごと食べよう

りんごの皮には、ポリフェノールやペクチンが豊富に含まれています。そのため、皮ごと食べるほうが健康・美容面でもおすすめです。

温めて食べてもOK

りんごをそのまま食べるのもいいですが、キンキンに冷えた状態だと体を冷やし、代謝を下げる要因にもなります。

たとえばレンジなどで温めた煮りんごは、柔らかくヨーグルトにも馴染みやすいでしょう。

タンパク質も補おう

りんご100 gあたりのタンパク質は0.2g。ほぼありません。

ダイエットにおいてタンパク質の摂取はとくに重要です。タンパク質摂取量が低下すると筋肉量が落ち、代謝低下によって太りやすい体質に変化してしまうからです。

りんごダイエットで失敗するパターン

当然ですが、適切なやり方で行わないと失敗するパターンも大いにあります。たとえば以下の例はよくある失敗例です。

りんごだけ食べている

単一の食材だけに頼ってしまうと、栄養バランスが崩れてしまううえ、カロリー不足に陥ります。

栄養素はバランスよく摂ることで力を発揮するため、りんごだけの食生活を続けていると、栄養不足や体力の低下を招く可能性が高いでしょう。

また、りんごだけだと飽きやすく、そもそも長期間の継続が難しいと言えます。

1日のカロリー摂取量をオーバーしている

りんごを取り入れていようがいなかろうが、そもそも食べすぎているとダイエットにはなりません。

運動をしていない

体を引き締めるためには運動も必要不可欠です。運動は脂肪燃焼や代謝を高めるため、食事コントロールと運動を組み合わせることが理想です。

砂糖や蜂蜜などをかけている

蜂蜜は栄養価が高いものの、ダイエット目線で見るとカロリーオーバーにつながります。甘味料はかけずにいただきましょう。

りんごダイエットはどのくらい続ければ効果が出る?

約3か月を目安に続けましょう。運動も食事コントロールも3か月が目安です。

冒頭の荻野目洋子さんが語ったように「痩せたけれど、体調も崩した」では本末転倒ですよね。

あくまでもりんごはサポートとして考えて、バランスのいい食事をカロリーオーバーしないように摂ること、そして定期的な運動を続けることが、リバウンドをしないダイエットの最短ルートです。

著者プロフィール

佐藤城人(さとうしろと)


心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範。過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出会う。各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5000名様の悩みをサポート。摂食障害の回復プログラムの中で「正しさよりも心地良いダイエット法」を提唱する。2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。現在はカウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。
https://www.in-ct.org/

<Edit:編集部>