社労士に聞いた「五月病になりやすい人」の特徴。4月から予防・対策しておくのが“吉” (1/2)
五月病とは「新環境に対するストレス反応」である
五月病(ごがつびょう)とは、主に新しい環境や生活スタイルに適応する際に、心身の不調やストレスが現れる症状を指します。
正式な医学用語ではありませんが、軽度のうつ病に似た症状が短期間現れます。
一般に、新しい学校や職場、新生活が始まり、ゴールデンウイーク明けによく発生することから、5月病と呼ばれています。
最近では「六月病」も同じ意味合いで登場しています。
こんな状態になっていませんか? 五月病によくある症状
五月病には、以下の症状が見られます。
症状1 体調不良
頭痛やめまい、倦怠感、体のだるさなどが現れることがあります。
症状2 不安やイライラ、抑うつ感
新しい環境に適応する不安や、人間関係のストレスから抑うつ状態になることがあります。
症状3 集中力の低下
仕事や学業に対する集中力が低下し、業務や学業に取り組むことが難しくなることがあります。
症状4 睡眠障害
不安やストレスから睡眠の質が低下し、寝不足や不眠症が生じることがあります。
症状5 疲れやすい
新たな仕事に慣れようとする過程で、体力的または精神的な疲労が蓄積しやすいです。
症状6 食欲不振や過食
ストレスや不安により、食欲がなくなったり、逆に食べ過ぎたりすることがあります。
なぜ五月病になるの? その原因は「ストレスの蓄積」
では、なぜ5~6月にかけてこのような症状が起きやすいのでしょうか。五月病を引き起こす原因を見ていきます。
変化によるストレスの蓄積
五月病が発生する主な原因は、ストレスの蓄積です。
春は新入生や新入社員をはじめ、異動、新メンバーや業務の追加など、環境がガラッと変わる時期です。それにより人間関係や生活リズムなども大きく変化します。
「変化」はストレスに繋がります。結婚や引っ越し、出産、昇進など“良い変化”であってもです。
変化に対応するだけでもストレスがかかっているのに、周囲との比較や自己評価の低下、新しい環境への不安などが積み重なることもあるでしょう。
そうしたストレスに対して回復が追いつかなくなると、五月病の症状を引き起こすことがあります。
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ストレスがかかっても、一時的に耐えることはできる
「ストレス反応」と呼ばれる対抗手段が人体には備わっていますので、ゴールデンウイークまではなんとか持ちこたえることができます。
しかし、連休で一時的に休息を得ることができるとストレス反応も効かなくなり、いわば防御力が下がった状態で連休が明け、またストレスフルな日常がスタートします。
そこに再びストレスが加わると、五月病の症状が現れてしまうというわけです。
気候や気圧の変化
季節の変わり目は寒暖差や気候の変化が多く、自律神経の乱れを引き起こす要因となります。
自律神経が乱れると体の不定愁訴にもつながり、睡眠障害や疲労感なども引き起こすため、心身の回復を妨げます。
これらの要因が組み合わさることで、五月病の症状が発生する可能性が高まります。
五月病になりやすい人の特徴とは。こんなタイプは要注意
一概に当てはまるわけではありませんが、以下の特徴がある人は、ストレスを感じやすく、五月病になりやすいと考えられます。
新しい環境への適応能力が低い人
新しい学校や職場、新しい生活スタイルなど、環境の変化に対する適応能力が低い人は、五月病になりやすい傾向があります。
環境の変化に適応することが苦手で、ストレスを感じやすい人が該当します。
社会的なプレッシャーや期待に敏感な人
周囲との比較や社会的なプレッシャーに敏感な人は、五月病になりやすい傾向があります。期待に応えようと過度に頑張ってしまうのです。
自己評価が低い人
自分に対する評価が低く、自信を持てない人は、変化が起きた際に自分の役割や立ち位置、能力に対して不安が大きく、精神的な不調を引き起こすことがあります。
季節や生活リズムの変化に敏感な人
季節の変わり目は気温や気圧差が大きく、身体の調整に時間がかかります。これによって、睡眠パターンの乱れや体調不良が引き起こされ、精神的な不調を招くことがあります。
また、睡眠時間や食事、運動などの生活リズムが崩れ、それによる影響を大きく受けてしまう人も注意が必要です。
寝不足や忙しいとイライラする、ネガティブになりやすいなどです。
ストレスのコントロールが苦手な人
また、ストレスを自分でコントロールできない人などは、そのストレスの重圧に負けて精神的な不調をきたしてしまうことがあります。
これらの特徴が当てはまるかどうかは、体調やタイミング、ライフステージなどによっても変化します。
今はそうでなくても、数年後は当てはまるなどのパターンもありますので、「そういうこともある」と知っておくだけでも有益です。
五月病になりやすい性格ってあるの? 完璧主義やネガティブ思考、ストレスコントロールが苦手な人などは要注意
では、そもそも五月病になりやすい性格はあるのでしょうか。
たとえば以下のような傾向があると、五月病やメンタル疾患のリスクが高まるとされています。