子供が運動に興味を持つきっかけとは。親ができる家庭のスポーツ教育 (1/2)
子どもは吸収力が高く、身体はどんどん大きくなっていきます。そのため、運動すると驚くほどのスピードで成長していくでしょう。競技技術なども覚えが早く、いつのまにかできることが増えていくものです。しかし、教え方次第で成長度合いは大きく変わってしまいます。
私は中学校の陸上競技部で外部コーチを務めるほか、小学生や幼児を対象とした運動教室を開催してきました。同時に私自身、4人の子どもを持つ父親でもあります。その経験をもとに、子どもがより大きな成長を遂げるためのメソッドを紹介します。
あくまで独自の経験・ノウハウに基づくものですが、ぜひ参考にしてください。
1.まずは楽しませる
運動に限ったことではありませんが、子どもにとって、“楽しい”という気持ちは何よりの原動力となります。楽しければこそ驚くほどの集中力を発揮し、その物事に没頭できるでしょう。その瞬間にこそ、もっとも大きな成長を得られるものです。そのため、まず運動そのものを「楽しい」と感じられる仕組みを考えましょう。
ゲーム性をとり入れるのもおすすめ
オススメなのは、ゲーム性を取り入れること。たとえば私が走り方教室でよく行うのは、フラフープを縦にして投げ、それを倒れる前に走ってキャッチするといったもの。これが意外と難しく、悔しがりながら「もう1回!」とリクエストしてくれます。そして身体と気持ちが程よく温まったタイミングで、本番の練習をスタート。最初テンションの低かった子どもでも、「次は何をするのだろう?」とワクワクした目に変わっています。
習い事に通い始めたばかりの頃は、この楽しさが非常に大切です。1回1回に「楽しい」という体験があれば、また次回参加できるのを待ちわびるようになるでしょう。あるいは学校の課題で、縄跳びや鉄棒などを練習することがあるかもしれません。そういった際にも「縄跳びは楽しい」「鉄棒は楽しい」という気持ちを最初に抱いてもらうことで、難しい課題にも積極的にチャレンジできるようになるはずです。
2.教えるより動いて慣れさせる
教えると言うと、大人はまず知識として何かを学び、それを実践するという流れをイメージしがちです。しかし子どもの場合、いくら言葉であれこれ伝えても、あまり身につかないものです。どれだけ分かりやすく噛み砕いて説明しても、そもそも“話を聞く”こと自体が子どもは苦手。すぐに飽きてしまいます。そして苦手な時間は、先に挙げた“楽しさ”と相反するもの。それだけで運動にネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。
子どもの運動は実践を優先する
もちろん、それでも「言うことは聞かなければ」と、耳を傾けてくれる子どもは多いでしょう。では、果たしてそれが頭の中で理解され、実践に移せるだけの知識として定着しているのでしょうか。残念ながら、あまり期待はできないはずです。なぜなら子どもは、言葉を理解して実践するという経験が乏しいから。これは頭の善し悪しではなく、絶対的な経験として不足しているのです。
子どもの運動は実践を優先し、実際の運動を通じて慣れさせることをオススメします。そのとき、目の前で見本を見せてあげるとよいでしょう。もも上げなら、ミニハードルを適切な間隔で設置し、そこを走らせてしまいます。ミニハードルという障害物があるので、誰もが自然と避けるために腿を上げて走るでしょう。
「どう教えるか」ではなく「どうすればその動きが自然に行えるか」を考え、必要に応じ用具を使いながら実践させてしまいましょう。最初はぎこちなくても、繰り返すことで自ら考え、身に付き、その動きに慣れていくはずです。