足つぼマッサージはなぜ痛い?痛みがある場所でわかる、体の不調とその解消法
"痛い”というイメージの強い「足つぼマッサージ」。実は、足つぼを刺激して強い痛みを感じる場合は、からだに不調があるのかもしれません。
足つぼマッサージで痛む部位ごとに考えられる不調や、それらを解消する方法を紹介します。マッサージを行う際の注意点もお伝えしますので、からだの不調が気になる方はぜひ試してくださいね。
足つぼマッサージで痛みが出る理由
足つぼマッサージで痛みが出るおもな理由は、以下の4つです。
足裏の筋肉が疲労している
足裏は、1日中ずっと自分の体と地面の間で圧力を受けています。パンプスや革靴を履くことで、さらに圧力がかかることもあるでしょう。このような理由で筋肉が炎症を起こし、マッサージをしたときに痛むことがあります。
足裏の血管に老廃物がたまっている
足裏は、人体のなかでも老廃物がたまりやすい場所だといわれています。
前述の通り、足裏の筋肉は疲労によって硬くなりがちです。筋肉が硬くなることで、血管も圧迫されるでしょう。その結果、血管内には流れづらくなった老廃物がたまり、固まってコリになってしまいます。肩こりと同様に、コリの部分を刺激されることで痛みを感じることがあります。
足の裏にケガがある
目に見える傷がなくても、足裏にケガがある可能性があります。
足裏には、かかとの骨から足の指にかけて「足底筋膜(そくていきんまく)」という繊維があります。足裏に過度な負担がかかることで、足底筋膜に見えない傷ができてしまうことも。その状態で足つぼマッサージをすると、痛みを感じるでしょう。
体内の器官や臓器に不調がある
足裏には、反射区と呼ばれる体内の器官や臓器につながる末梢神経が集まる場所があります。体内の器官や臓器に不調があると、この反射区を刺激したときに痛みを感じる場合があります。
部位別|足つぼマッサージで痛む場所と不調の内容
からだの不調が原因で足つぼマッサージで強い痛みを感じることがあります。痛む部位別に、からだのどこに不調が起きているのか紹介します。
親指は頭部の不調
足裏の親指を刺激したときに痛みを感じる場合、頭に不調がある恐れがあります。とくに、足裏を刺激したと同時に頭痛がするなら、可能性はかなり高いでしょう。
各指の付け根は頭や目、耳、肩の不調
各指の付け根は場所によって不調があると考えられる場所が異なります。
前述の通り、親指は頭の不調と関連があるでしょう。人差し指と中指の付け根を刺激したときに痛む場合は目、薬指の付け根を刺激したときに痛むなら耳、小指の付け根の場合は肩に不調があるといわれています。
指先は鼻の不調、アレルギーや鼻炎のおそれ
全ての指先の不調は、副鼻腔に対応しているといわれています。刺激して痛む場合はアレルギーや鼻炎が疑われます。
土踏まずは胃腸や肺、肝臓の不調
土踏まずを押すと痛む場合、消化器系の不調が出ている可能性が高いと考えられます。とくに、胃腸に負担がかかっているかもしれません。
土踏まずの上部が痛い場合は、胃腸ではなく肺や肝臓に不調があらわれる可能性が高いといわれています。
かかと周辺は生殖器の不調、重い生理痛のおそれ
かかとの周辺が痛む場合は生殖器に不調が起きていると考えられます。生理痛がひどい方の場合、ここを刺激すると楽になることもあるでしょう。
土踏まずの下部からかかとは、排泄機能の不調
土踏まずの下部からかかとまでの部位が痛む場合は、腎臓や膀胱といった排泄機能に不調があらわれている可能性が高いです。
足の甲とくるぶしはリンパの不調、肩こりや頭痛、眼精疲労のおそれ
足の甲やくるぶしの周辺が痛む場合、リンパの流れが滞ってむくんでいると考えられます。肩こりや頭痛、眼精疲労の原因にもなるので注意しましょう。
痛む部位でわかった不調の、解消方法
足つぼマッサージで痛む場所によって、体内であらわれている不調の内容が推測できます。ここからは、その不調を解消するさまざまな方法を解説します。
頭痛や眼精疲労、肩こりへの対策
頭痛や眼精疲労、肩こりは血行不良が原因の場合が多いといわれています。以下の方法で解消しましょう。
- 適度に運動する
- きつい衣服を避ける
- 38~40度のお湯へ、10~15分入浴する
- 水分をしっかり補給する
- 禁煙する
この他にも、食生活を意識することで血行不良の改善が期待できます。ごぼうやにんじんのようにからだを温める食材を食べましょう。血流の改善効果があるビタミンEを多く含むアーモンドやアボカドもおすすめです。
眼精疲労は肝臓の働きが低下したことで、引き起こされる可能性もあります。その場合は、DHAやEPAを多く含む青魚中心の食生活にして、肝臓への負担を少なくしましょう。
鼻炎への対策
花粉症やアレルギーが原因の鼻炎に対して、自宅でできるおもな解消法は以下の通りです。
- 鼻やからだを温める
- 部屋の湿度を50~60%に設定する
- 飲酒を控える
花粉症が原因で鼻炎になる方は、花粉対策によって鼻炎を軽減できるでしょう。外出時にはマスクや花粉対策のメガネをつけてください。花粉の飛散時期には、花粉が付着しづらいツルツルした素材の衣服を着たり、自宅に入る前に花粉を払い落したりすることも効果的です。
粘り気のある鼻水が出ている場合、細菌やウイルスの感染が原因で、からだが熱を持っている可能性があります。その場合は湿度を保ち飲酒を控えつつ、からだの熱をとるトマトやスイカを食べると楽になるでしょう。
消化器の不調への対策
消化器に不調が生じている場合は、以下のような対策をしましょう。
- 脂っこいものを避けて、消化のよいものを食べる
- 刺激物、乳製品を避ける
- 飲酒を控える
- 食べ過ぎと早食いを避ける
便秘気味の方は、食物繊維の摂取も効果的です。腸内環境を整える水溶性食物繊維と、腸を刺激して便通を促す不溶性食物繊維をバランスよく摂りましょう。ストレスが原因で消化器に異常が起きている場合もあるので、自分に合う方法で気分転換をして、リラックスしてください。
排泄機能の不調への対策
排泄機能の不調には以下の対策がおすすめです。
- 下着を清潔に保つ
- おりものシートや生理用ナプキンを頻繁に取り換える
- デリケートゾーン専用のボディソープを使う
- からだを温める
- カリウムを多く含む海藻、魚介類を意識的に摂る
残尿感を覚えたり頻尿だったする場合は水分を控える方が多いですが、それは逆効果です。これらの排泄機能トラブルは、膀胱炎の症状であることがあります。膀胱炎の場合は水分を摂って排尿することが大切なので、過度に水分を控えることは避けましょう。
生殖器の不調への対策
重い生理痛に悩む方は、以下の対策を試してみましょう。
- 下腹部や腰を温めて血行をよくする
- 軽いストレッチをする
- アロマやお香でリラックスする
食生活の改善によって生理痛を緩和することもできます。生理痛は、からだが冷えて血行が悪くなると重くなるので、からだを温める食べ物を摂りましょう。砂糖を多く含む食べ物も、血行を悪くするので注意が必要です。チョコレートやアイスクリームは避けてくださいね。
足つぼマッサージをするときの注意点とポイント
足つぼマッサージをすることで、からだの不調の改善が期待できます。ただし、間違ったやり方で行うと、足底筋膜を傷めてしまう可能性もあるでしょう。足つぼマッサージを行う際の6つのポイントを紹介します。
適度な力で押す
足つぼは、あまり強く押さないようにしましょう。「少し痛いけど気持ちいい」程度の力で押すことが大切です。1か所を押す時間は10秒程度にしましょう。長時間押し続けると血圧が下がり、からだがダルくなるおそれがあります。
食後・飲酒後は時間を空ける
食後に足つぼマッサージを行う際は、1時間以上空けましょう。飲酒の前後は足つぼマッサージを避けることが大切です。
足つぼマッサージを行うと、指圧によって血行が促進されます。食後に足つぼマッサージを行うと、消化器官に循環するはずの血液が分散され、消化不良を引き起こす可能性があるでしょう。飲酒前後の場合、アルコールが早く回り気分が悪くなるおそれがあります。
調子の悪い箇所に対応したつぼを押す
足つぼマッサージは、からだの不調を改善するためのものです。調子が悪い箇所がわかっている場合は、その箇所に対応したつぼを押しましょう。たとえば頭痛が気になる場合は親指、消化不良が気になる場合は土踏まずへの刺激がおすすめです。
不要な場所に刺激を与えることで、足底筋膜を傷つけるおそれがあります。痛みの原因になりかねないので、押す位置には注意してくださいね。
クリームを使う
足つぼマッサージを行う際は、ハンドクリームやボディクリームを使うのも効果的。足つぼをほぐしやすくなるので、効果的にマッサージができるでしょう。リンパを流す際も、クリームを塗ることでマッサージしやすくなります。好きな香りのクリームを使うことでリラックス効果も期待できるでしょう。
妊娠中の方や持病のある方は控える
妊娠中の方や持病のある方は、足つぼマッサージを控えてください。血行が促進されることで、からだに悪影響が出るおそれがあります。とくに、高血圧や心臓病、糖尿病の方は控えましょう。一時的な体調不良によって発熱している方、ケガをしている方も控えてください。
痛みがひどい場合は病院を受診する
足つぼマッサージを続けても不調が解消されない場合、思わぬ病気が隠れていることがあります。内科や消化器内科、泌尿器科や婦人科のように不調に応じた病院を受診しましょう。足の裏が常に痛い場合はマッサージを控え、整形外科を受診してくださいね。
足つぼマッサージで不調の改善を目指そう!
ひとりで行える足つぼマッサージは、自分でからだの不調を見つけて、ケアできるマッサージです。痛みを感じる場所を無理のない強さで刺激し、からだの不調の改善を目指しましょう。
監修者プロフィール
白崎順子(しらさきじゅんこ)
漢方養生指導士エステティシャン。
自身の病をきっかけに東洋医学に興味を持ちエステと融合させた「美養生エステ」を発案。「エステティシャンが知っておくべき東洋医学」のスクールも開講し全国に500名以上の生徒を持つ。
<Edit:編集部>