
練習のしすぎで起きる「オーバートレーニング症候群」とは。原因・症状・予防法を解説 (1/2)
- トレーニング
- 2018年11月12日
毎日がんばって競技の練習や筋トレを行っているにもかかわらず、効果が上がらない。それどころか、逆に調子が悪くなってパフォーマンスが低下してしまう。もしかしたら、それは“オーバートレーニング症候群”かもしれません。がんばり過ぎによって起こるオーバートレーニング症候群は、プロのアスリートでも陥ることがあります。今回はそんなオーバートレーニング症候群についてご紹介していきましょう。
オーバートレーニング症候群とは
オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングが長時間続くことによって疲労が徐々に蓄積し、回復できなくなった慢性疲労状態のこと。いつも通りパフォーマンスを発揮できなくなるだけでなく、日常生活でもカラダが重く感じたり息切れしたり、食欲低下、手足のしびれ、体重の減少などの「身体的な症状」と、不眠や不安、集中力低下などの「精神的な症状」が現れます。
オーバートレーニング症候群には明確な診断基準がなく、体調が悪いだけ、あるいは精神的に疲れているだけなど、あまり深刻にとらえられることがありません。また、調子が悪いのはコンディションが原因であると考え、調子を上げるためにさらにトレーニングに励んでしまう悪循環に陥りやすくなります。
とくに真面目で責任感があり、練習熱心なアスリートに多く起こりやすい傾向があるオーバートレーニング症候群。「もっとがんばらなくては」と自分を追い込んだ結果として陥ってしまうのです。
オーバートレーニング症候群から回復するには
オーバートレーニング症候群から回復させるための方法は、休養以外にありません。不眠や不安感などの精神的な症状があれば、睡眠剤や抗うつ剤などの薬が処方されることがあるでしょう。しかしオーバートレーニング症候群は、薬で回復するものではないのです。
本人にとってみれば、長期間休養することによって周囲との差が広がるなど、焦りが生まれるかもしれません。しかし、ここで無理をしてトレーニングを続けてしまえば症状がさらに悪化し、復帰までの時間がより長くかかってしまいます。「軽い練習なら大丈夫かな」「ジョギングくらい問題ないだろう」などと、カラダを動かしたくなる選手は少なくありません。しかし、いざ始めてしまうと熱中して運動量が多くなったり、運動強度が上がってしまう場合があるので注意が必要です。
なお、休養期間中の選手の心理面を支えるためには家族やチームの監督、コーチ、チームメイトなど、周囲の人たちのサポートが欠かせません。