
医師が考える「ストレスを感じやすい人」「感じにくい人」の違い (1/2)
同じ状況に置かれても、すぐにストレスを感じる人と、あまり動じない人がいる。この違いは何なのでしょうか?
ストレスを感じにくい人には 共通する思考や習慣があります。その特徴を探り、ストレスに振り回されずに生きるための方法を学んでいきましょう。
監修は平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニックの内科医・岡村 信良先生です。
ストレスに振り回されない人の特徴
- 自分の感情を理解している
- リラックスして生活している
- 周囲の人との関係が良好(楽しく付き合っていける)
- 必要以上の競争心や対抗心を持たない
- 自分の意思がしっかりしていて周囲に流されない
- オンとオフの切り替えが上手
- 集中力がある
岡村先生:上記は、ストレスを感じる場面が少ない人の特徴です。
共通する部分としては、「心に余計な負荷をかけない」という姿勢が挙げられます。
いわゆる“ストレスを感じにくい人”は、自分と他者を比べることをせず、「出世しなければ」という焦燥感もそこまで強くありません。
自分の生きるペースに従い、「自分の力では変えられないこと」を素直に受け入れる傾向もあります。
見比べてみよう! ストレスを「感じやすい人」「感じない人」
ストレスを感じにくい人 |
ストレスを感じやすい人 |
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岡村先生:ストレスを感じやすい人は、「誰かに評価されたい」「嫌われたくない」という気持ちに支配されやすいです。
自分に厳しくしすぎる傾向があるため、自然と他者への評価も厳しくなり、イライラが募っていきます。
一方ストレスを感じない人は、自分のスタンスを保ちつつ周囲の人々と関わりを持ちます。自分の心と穏やかに向き合っているため、他人に優しく接する人が多いです。
今からでも「ストレスに強い人」になれる?
すぐにストレスを抱えてしまうのが悩み。ちょっとくらいのことには動じない、ストレスに強い・安定した人になる方法はあるのでしょうか?
岡村先生:性格自体を変えるのは難しいですが、「ストレスとの向き合い方」を上達させる方法はあります。心の動きに左右されにくくなることで、少しずつストレスに強い人になっていくことでしょう。
不安・イライラを感じるのは、自分の考え方や行動が関係している場合もあります。まずは自分自身と向き合い、「どんなことでストレスを感じるのか」を振り返ってみましょう。
ストレスの原因と上手く向き合っていくことが、ストレスに強い人になるための第一歩だといえます。
ストレスの原因とうまく向き合い、解消するコツ
岡村先生:ストレスを溜めないようにするには、自分の考えをポジティヴな方向に持っていくことが大切です。まずは、以下3つの行動・考え方を心がけてみましょう。
誰かに「悩み」や「自身の考え」を話す
岡村先生:イライラしたり不安を感じたりしたら、周囲の人に「悩み」や「自身の考え」を話してみましょう。人と会話すると、考えがまとまって気持ちが落ち着きやすいです。
他者の意見を参考にできるので、「ストレスの原因との向き合い方」も少しずつ明確になっていくでしょう。
自分が「できたこと」に目を向けよう
岡村先生:失敗した経験を振り返ってみると、その中には「達成できたこと」「努力したこと」もあるはずです。まずはそれらを行えた自分を褒めてあげましょう。
できたことに注目すると、さまざまな経験を前向きに捉えられるようになります。「この部分では確かに成功した」という体験が自信に変わることで、次第にストレスに強い人になっていくでしょう。
一方ストレスが溜まりやすい人は、完璧主義の傾向があります。「できなかったこと」に注目してばかりいると、多くのケースが失敗体験になってしまい、気持ちが落ち込みやすくなります。
「自分に変えられないこと」は受け流そう
岡村先生:現状抱えているストレスの原因の中には、「自分で変えられないこと」「避けられないこと」もあります。変えられないものを前にしたときは、割り切って受け流すことも大切です。
たとえば、仕事で提案した“渾身の企画”が通らなかったとします。「素晴らしい企画なのに、何がダメだったんだろう」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
そんなときは「結果は結果だし、仕方ないか」と一旦受け流してみましょう。企画が通るか否かは会社・上司の判断によるものなので、そもそも自分だけでどうにかできるものではありません。
また、企画を提案したときの努力は、ご自身のスキル向上の糧になっているはずです。気持ちがすっきりすると「企画した内容を他で試してみるのも面白いかも」と前向きな考えが浮かんでくることもありますよ。
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