
玉ねぎを食べるとどんなメリットがある?“血液サラサラ”…だけじゃない!
玉ねぎは抗酸化物質をはじめとしたさまざまな成分を持つ野菜。代表的な成分としては硫化アリル、食物繊維、オリゴ糖、ビタミンC、ビタミンB6、カリウムなどが挙げられますが、中でも特に注目したいのが「ケルセチン」。
コンテンツプロデュース企業の株式会社真琴プランニングの調査をもとに、管理栄養士で料理家のShieさんが解説しています。
玉ねぎに含まれる「ケルセチン」とは
玉ねぎの色素であるフラボノイドの一種であり、強い抗酸化力を持ちます。玉ねぎ以外にも、リンゴ、ブロッコリー、ケーパー、ケール、カボチャや緑茶などに多く含まれています。
その強力な抗酸化力により、活性酸素を除去し、老化やがん、生活習慣病の予防に重要な役割を果たすと期待されています。
ケルセチンを摂取することで、血中総コレステロールやLDLコレステロールの数値が低くなると言われており、研究も進められています。
サントリーウエルネスの研究では、ケルセチンは筋肉の硬直や脂肪の蓄積を抑え、筋線維が柔軟に働く環境を整え、膝の伸展力をアップさせたり、大きな歩幅で歩けるといった移動機能の改善も期待できると報告されています。*1
ケルセチンの効果を引き出す食べ方
ケルセチンは硫化アリルのように水溶性でもなく、加熱にも強いため、水さらしや加熱で調理しても問題ありませんが、さらに効果的に摂る工夫をご紹介します。
皮に近い部分を活用する
ケルセチンは、玉ねぎの皮や皮に近い部分により多く含まれることで知られます。
油と一緒に食べる
炒め物にしたり、オイル系ドレッシングとともに食べるのもおすすめです。ケルセチンは油と一緒に食べることで腸管での吸収率が高くなる研究があります。*2
白より黄、紫たまねぎを選ぶ
新玉ねぎとしてよく販売されている白玉ねぎは、実はケルセチンがわずかしか含まれません。産地や品種によって異なるものの、一般的に売られている黄たまねぎや、紫玉ねぎの方がケルセチン含有量は高くなります。 *3*4*5
*2 農研機構“タマネギに含まれるケルセチンの生体利用性を高める摂取法”.
*3 小堀 真珠子“野菜の機能性研究~たまねぎのケルセチンによる認知機能改善の可能性~”独立行政法人 農畜産業振興機構 野菜情報.2018,58-63
*4 農研機構“機能性成分含有量情報”.
*5 井奥加奈“ピーマンを主とした市販野菜類のフラボノイド含有量における季節変動”.日本食品化学工学会誌. 2005,52,190-195
監修者プロフィール
管理栄養士、菓子・料理研究家 Shieさん
大学卒業後、大手食品メーカーに研究員として16年在籍。サラダ・惣菜・調味料等の商品開発、商品価値を活かしたレシピ開発、美味しさの数値化等に従事。手掛けたレシピは1500以上。ヘルスケアアプリ部門ダウンロード1位取得のヘルスケアベンチャーに出向中は、管理栄養士監修のレシピ動画立上げと事業責任者を経験。ル・コルドンブルーにてグランディプロム(料理・菓子)取得。ワインエキスパート、離乳食アドバイザー等、その他多くの資格を保持し、料理・菓子分野において専門知識や理論に裏づけされた技術を磨く。2021年9月に独立後、TVやラジオ出演、レシピや商品開発、開発コンサル、コラム執筆、セミナー講師、フードコーディネート等に加え、東京港区にて理論を伝える料理・菓子教室の主宰、オーダーメイドスイーツの受注販売等も行う。2021年8月に発売された書籍「オートミール健康レシピ」はAmazonにてベストセラーに。
<Edit:編集部>