筋トレ民向け「鳥むね肉」の食べ方。柔らかくする方法は?タンパク質の吸収率を高めるには?栄養士が解説
筋トレに励む人たちの頭を悩ませるのが、トレーニング後の食事。高タンパク・低脂質・低カロリーの条件を満たしたコンビニ食材「サラダチキン」もいいけれど、やはり自炊で筋肉を効果的に大きくしたい。
自分で料理をするとパサパサになりがちな「鶏むね肉」ですが、柔らかく、おいしく食べる方法はないでしょうか。料理家・栄養士の田村つぼみ先生に聞いてみました。
なぜ鶏むね肉は筋トレ食材として人気なのか
そもそも論から始めましょう。なぜ鶏むね肉はカラダにいいのでしょうか。
「トレーニング後はやっぱり“タンパク質”を摂ることが大切です。鶏のささみ肉やむね肉は、低脂質・低カロリーでタンパク質の塊とも言える食材です。良質なタンパク質としては、豚肉や牛肉という選択肢もありますが、もれなく脂肪がついてきます。どうしてもというならば、赤身肉を選んでください。同じタンパク質でも食材ごとに含まれる栄養素が違います。大豆や卵や魚などのタンパク質もバランス良く、摂ることも意識しておくといいでしょう」(田村さん)
トレーニング後の食材として、鶏むね肉最強説は本当なんですね。
鶏むね肉を柔らかく仕上げたいときの調理方法
「茹でるか蒸す」が正解、しかし調整が難しい
「調理方法の定番といえば、茹でるか蒸すかです。ただ蒸し器を持っている人は多くないと思います。やっぱり茹でる派が多いと思います。でも湯煎って、手軽に見えて実は温度調整が難しくて、鶏むね肉の厚みがある部分は生で薄い部分は硬くなりすぎた経験してる人も多いと思います」(田村さん)
そうなると普通の調理方法で、美味しく食べるのは難しいということですか。やはり市販のサラダチキンを買うのがベストということでしょうか。
事前に調味料に漬け込んでおくか、茹で時間を測る
「ひと手間か、ふた手間かけられれば、いいんです。酒やミリン、砂糖やショウガなどの調味料に漬け込んで柔らかくしてから調理したり、調理時間をしっかり測ったりすることを覚えれば、柔らかく美味しく調理することはできます」
やはりプロの技術が必要ということですね。一般の方がカンタンに美味しく食べられる方法はないのでしょうか。
「湯煎の温度を一定に保ったり、食材のグラム数に合わせて茹で時間を測ることですね。調理方法に技術が少し必要になるのが、鶏むね肉ともいえますね」(田村さん)
タンパク質の吸収率を高める食べ方は?
「レタス類やアーモンドなど、ビタミンの多いものと一緒に摂取することで、タンパク質がより吸収されやすくなります。ドレッシングも抗酸化作用のあるオイルや塩などでいただくといいでしょう」(田村さん)
パプリカやレモンも相性がよいとのこと。また、鶏むね肉を調理したときに出る肉汁も、残さず飲むことをおすすめしています。
「鶏むね肉に含まれる疲れを和らげる成分イミダペプチドは流れやすいので。袋の中に残ったスープまでいただくことをおすすめします!」(田村さん)
[プロフィール]
田村つぼみ/料理家・栄養士
短大卒業後、料理教室講師として勤め、料理研究家のアシスタントを経て独立。毎日の“ふだんごはん”を無理せず楽しく健康に! をモットーに、書籍や女性誌でのレシピ掲載を中心に活躍中。そのほか、飲食店や企業のメニュー開発、店舗立ち上げのプロデュースやCM制作などを行う。
【HP】https://www.tsubomi-t-cooking.com/
【Instagram】@tsubomi_tamura
※本記事はMELOSで公開された記事「筋トレ民の味方“鶏むね肉”を美味しく食べる方法を見つけた!いま話題の低温調理器レビュー&オススメレシピ」を再編集したものです。
<Edit:編集部/Text:松田政紀(アート・サプライ)/Photo:玉井幹朗>