フィットネス
2023年3月16日

ランニング練習に「縄跳び(なわとび)」がおすすめである3つの理由 (1/2)

走る以外にも、ランニングスキルを向上させる練習はたくさんあります。その中のひとつが「縄跳び(なわとび)」。子どもの頃、体育の授業で跳んだことがあるでしょう。

なぜ縄跳びがランニングに効果的なのか。また縄跳びを行う際には、どのような点に注意すべきなのか。具体的なトレーニング方法を含めて解説します。

縄跳びがランナーにおすすめである理由

まずは、縄跳びがランナーにもたらすメリットを解説します。「何に効いているのか」を意識することでモチベーションが上がり、運動効果も高まるでしょう。

1)短時間で行える有酸素運動である

縄跳びは全身を使った有酸素運動です。跳び方やスピードにもよりますが、実はランニングより運動強度が高く、慣れていない方なら、10分程度の縄跳びだけで息が上がってくるかもしれません。

それほど縄跳びは強度の高い有酸素運動であり、単体でも十分なトレーニング効果が期待できます。トレーニングの時間が作れないときでも、短時間で持久力や心肺機能の向上、脂肪燃焼にも繋がるでしょう。

また、ウォーミングアップにもおすすめです。10分も跳べば身体が温まり、じんわり汗をかき始めるはず。広い場所も不要なので、跳んだ後は自宅のポストや車に縄跳びを置き、そのまま走りに行けます。

2)体幹やバネ筋が鍛えられる

縄跳びにも注意すべきフォーム(=跳び方)があります。これを意識して行うことで、体幹部やバネ筋(下腿三頭筋やアキレス腱まわりの筋肉)を中心とした筋力アップが見込めるでしょう。

体幹はランニングフォームの維持に欠かせず、バネ筋は着地後動作による推進力に繋がります。「疲れにくいランニングフォームを獲得したい」「もっと速く走れるようになりたい」という方にとって、大きなメリットとなるはずです。

3)着地・離地動作が効率化される

縄跳びの着地は基本的に一瞬です。左右の足を同時に着地させ、衝撃を吸収し、テンポよく上方へと身体を反発させます。

その上では、バランスのよい着地、下肢に負担をかけない着地後動作、そして省エネルギーでの離地動作が欠かせません。

長時間でも楽にテンポよく縄跳びが行えるようになれば、自然とランニングエコノミーも向上するでしょう。着地から離地までの動作が効率化され、これまでより楽に速く走れる実感を得られるはずです。

縄跳びのポイントを動画で解説

縄跳びの効果を最大化させるためには、フォーム(跳び方)に注意が必要です。特に意識したいポイントについて、動画を見ながら確認していきましょう。

腰の位置を高く、足音はできるだけ小さく跳ぶこと

縄跳びの際に気をつけたいのが足音。「ドスドス」と大きな音を立てず、「タッタッ」と最小限の着地音だけで跳べるようにしましょう。

そのためには、腰の位置を高くするよう意識します。腰が落ちると下肢にかかる負荷が高まり、スムーズな着地・反発が行えず大きな足音が生じます。

具体的には、胸の辺りから身体を引き上げるようにしてください。この「引き上げる」力が働くことで、体重が軽くなったかのような感覚になるでしょう。

すると、これまでより少ない力で跳べるようになり、着地のとき受け止める衝撃が軽減されるはずです。

一定のテンポを維持して行うこと

縄跳びは一定のテンポを維持し、ある程度のスピードで継続的に跳びましょう。

どうしてもテンポが狂ってしまう場合は、メトロノームを使うのもひとつの方法です。リズムは足ではなく手首の回転で刻むこと。足は着地・離地の効率的な動きに集中してください。

左右同時に着地すること

よく起こりがちなのが、左右の足がバラバラに着地してしまうケース。一度の着地で聞こえる足音が「タッ」と1回ではなく、「タタッ」と2回に分かれていれば、同時に着地できていません。

その原因として考えられるのが、身体がまっすぐではなく左右いずれかに偏っていること。体幹を意識して身体をまっすぐに保ちましょう。

縄跳びは上下運動。前後左右に身体が動かないように注意

縄跳びは前を向いていることが多いため、着地位置はあまり気にしないかもしれません。

しかし跳ぶごとに前後左右へ動いている状態は、しっかり上方向へ身体を反発させられていない、もしくは身体が傾いている可能性があります。

そのため跳んだ後は、できる限り同じ場所へ戻ってくる(着地する)ようにしましょう。足元に印をつけておき、一定時間が経ったら足元を確認してみてください。

縄跳びは着地反発によって、身体を上方向へジャンプさせる運動。反発による力は、着地した方向の真反対に働きます。そしてランニングは身体を前傾させ、この反発をできるだけ前方へ向けることが大切です。

上下運動であるはずの縄跳びで前後左右に身体が動いているのは、つまり反発が正しい方向(自分が向かいたい方向)に働かせられていないということ。正しく同じ場所で跳べるようになれば、ランニングでも身体を前傾させるだけで進んでいきます。

これは重心移動による動きであり、効率的なランニングにも欠かせない要素です。

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