インタビュー
2017年11月28日

「私もジャッキー・チェン様やジェット・リー様のようにかっこよくなりたい」山本千尋が語る太極拳(後編) (2/3)

そうですね。あと武術太極拳というのは内面的にもいいと思います。フィギュア・スケートや体操と一緒で、見られているという意識が強いんです。審判の人に美しく見せたいとか、かっこよく見せたいとか……そういう感覚でみんな演武しているので、その感覚が自信につながったり、普段歩いているときにも武道家らしく姿勢良くしていようとしたりとか。

私が(武術を)やっていて一番良かったと思うのも内面的に磨かれたことですね。武術をしていたおかげで、誰かの前に出ることが恥ずかしくないんです。自分を美しく見せたいとか、審判の人の目を惹きつけるような演武をしたいなとか、そういう気持ちを持ちながら武術太極拳をしていたので、その気持ちは今の女優業にも活かされています。

同じ動きだけどみんな違う。個性が現れるのが武術太極拳の魅力

――女優となった今でも練習を続けていますか?

普段のトレーニングはかかさないようにしていますね。17年くらいずっと続けていることなので、もう習慣として身についているというか。やっているのは、ジムに行って、体力をつけるトレーニングをして、腹筋・背筋などです。あと身体が柔らかくないと絶対にできないスポーツなのでストレッチは欠かせません。

――武術太極拳をやるとき、特に鍛えているところはありますか?

どこが一番重要というのはあまりないと思うんですけど、身体のバランスがすごく大事だと思います。フィギュア・スケートや体操とすごく似ていて、体幹がないとどうしても失敗をしてしまうんです。だから、スクワットとか、身体の軸がぶれないようにするトレーニングはすごく大事ですね。ジムに行くときはだいたい2時間鍛えて、帰ってお風呂に入ったあとに20〜30分くらいストレッチをしています。あと、例えば蹴りのときにも、普通の人の蹴りより柔らかさをアピールしたいので、高めの蹴りをする練習なんかはしています。

以前は、夜になると川のそばで剣を振り回していたりしていましたが、今はアクション・ジムや体育館を借りたりしてやっています。アクション・シーンをやった次の日に筋肉痛になっているようじゃダメですからね。

――あらためて太極拳の魅力を教えてください。

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