
専門家に聞いた、自分の体臭をチェックするシンプルな方法 (3/3)
原因2 ストレス・疲労
ストレスや疲労を強く感じていると、「活性酸素が発生し、皮脂を酸化させる」「自律神経のバランスが崩れる」ため、体臭がきつくなることがあります。
ストレスや過労が原因の体臭は、「ストレス臭」と呼ばれています。ストレス臭は、鼻をつくような酸っぱい臭いを放つことが多いです。
原因3 過度なダイエット
過度なダイエットによって体が飢餓状態になると、甘酸っぱいようなきつい体臭が発生することがあります。
過度なダイエットを行うと、ため、体臭がきつくなることがあります。
(1) 体が飢餓状態になる
↓
(2) 体内の脂肪を使って活動するようになる(この時、状況によって脂肪酸・乳酸・ケトン体などが出ることがある)
↓
(3) 2のときに出た物質が、汗・皮脂と一緒に臭いを発しながら出る
この場合きつい食事制限などをやめると、体臭が軽減することがほとんどです。
原因4 体質
もともとワキガ体質の場合、体臭がきついと感じることがあります。ワキガを気にしている6割の方が女性だと言われているほど、女性のワキガは珍しいことではありません。
ワキガの臭いは、次のようなにおいに例えられることが多いです。
・香辛料
・鉛筆の芯
・硫黄
・酸っぱい臭い
原因5 洗浄不足
体の洗浄が足りていないと、垢が溜まり、体臭がきつくなる原因になります。次のような部位は、洗浄不足によって臭いを発しやすいです。毎日丁寧に洗いましょう。
・脇
・耳の裏
・デリケートゾーン
・足の裏
原因6 加齢(40歳以上~)
年齢を重ねると、酸化した皮脂が分泌されやすくなります。その皮脂が常在菌に分解されると、臭いが強い「ノネナール」という物質になり、きつい体臭を放つ原因になります。
加齢が原因の体臭は、「加齢臭」と呼ばれます。加齢臭は、古くしなびたもののような臭いを感じることが多いです。性別によって、加齢臭による臭いの差はほとんどありません。
原因7 タバコ
毎日1箱以上タバコを吸う習慣がある人は、体から「鼻をつくような臭い」が発せられることがあります。タバコを吸うことで、次のような作用が起こります。
ニコチンによって交感神経が刺激される
↓
アポクリン腺という汗腺を刺激する
↓
アポクリン腺から出る汗の量が増える
聞きなれない「アポクリン腺」ですが、この汗腺から出る汗は、脂質やタンパク質などが多く、臭いが強いので体臭の原因になります。
臭わせない! 体臭を軽減する方法
徳満さん:きつい体臭を軽減させるために、次のことを行うと良いでしょう。
・汗をかいたらすぐに拭き取る
・運動する
・入浴する
・ビタミンやポリフェノールを摂る
・服の素材選びに気を付ける
・禁煙する
方法1 汗をかいたらすぐに拭き取る
汗をかいたら清潔なタオルやボディシートなどで、20分以内に拭き取りましょう。拭き取るまでの時間は、早ければ早いほど良いです。
汗を放置すると、汗と空気が混ざり、酸化して臭いが発せられます。汗をかいたら、酸化する前に拭き取りましょう。
方法2 運動する
毎日、汗をかく程度の運動を、30~60分程度行いましょう。
運動をして代謝が良くなることで、古い皮脂や汗が流れ出やすくなります。その後は、汗をかいても、水分が多く臭いが少ない汗が出ると考えられます。
おすすめは、ジョギング、ヨガ、ウォーキング、水泳などです。
方法3 入浴する
毎日38~40度程度のぬるま湯(季節に応じて調節してください)に、15分以上つかりましょう。
お湯につかることで、体にこびりついている古い皮脂や汗などが取れやすくなります。また、緊張がほぐれ、ストレスや疲労が解消されやすくなるため、体臭が和らぐ可能性があります。
また、入浴して体を洗う際は、脇・デリケートゾーンなど臭いの元になる部分は丁寧に洗って、臭いを軽減させましょう。
方法4 ビタミンやポリフェノールを摂る
活性酸素を除去する働きがある、「ビタミンC」「ビタミンE」「ポリフェノール」を積極的に摂取すると良いでしょう。
これらの栄養素は、活性酸素を除去し、脂質やタンパク質の酸化を防ぐ作用があります。そのため、体臭の軽減をサポートしてくれるでしょう。
▼これらの栄養素が多い食品例
・ビタミンC…柑橘類、じゃがいも、いちご、緑黄色野菜
・ビタミンE…かぼちゃ、卵、アーモンド、アボカド、うなぎ
・ポリフェノール…緑茶、紅茶、ココア、チョコレート、ブルーベリー、ぶどう、なす
なお、スナック菓子・ジャンクフードなどは控えましょう!「酸化しやすい油分」が多く含まれており、体臭の原因になります。
方法5 服の素材選びに気を付ける
洋服や下着は、汗をしっかり吸い取る「コットン」「綿」「シルク」「麻」などの素材がおすすめです。
反対に「ポリエステル素材」「ナイロン素材」「アクリル素材」などの化学繊維でできた衣類は、おすすめしません。化学繊維は、汗を吸い込みすぐに乾きますが、その分臭いも発散されます。
方法6 禁煙する
禁煙することで、体臭が軽減できる可能性があります。体臭軽減のほかにも、癌リスク軽減・肌荒れの予防・歯や歯茎の変色を防げるというメリットも得られると考えられます。
自分で禁煙をやってみて難しい場合は、医療機関での喫煙治療を活用しましょう。ニコチン依存症などの条件を満たした場合、保険適用で治療を受けられます。
その対策はNG! 体臭が悪化するかも
徳満さん:「普段から汗をかかないようにする」「制汗剤をつけすぎる」「香水をつけすぎる」ようなことはやめましょう。体臭が悪化する可能性があります。
体が臭ったときの応急処置はやはり「ボディシートで拭く」
徳満さん:体が臭うなと思ったときは、ボディシートで体を拭きましょう。
「耳の後ろ」「首」「脇」「股の付け根(太ももと股の間)」「デリケートゾーン」など、汗が出やすく、溜まりやすい部分を重点的に拭き取りましょう。
どんなボディシートがおすすめ?
「緑茶エキス」「ハッカ油」など、植物成分からできている消臭成分入りのものがおすすめです。肌への刺激を抑えながら、臭いを取り除いてくれるでしょう。また、敏感肌の人は、アルコールフリーのものがおすすめです。
なお、デリケートゾーンを拭きたい場合は、専用のシートで拭くことをおすすめします。体と同じシートでデリケートゾーンを拭くと、刺激感や赤みなどが生じてしまうことがあるためです。
監修者プロフィール
徳満友美
株式会社Luce/健康検定協会。日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン大手エステティックサービスの提供、技術営業指導員を経て、化粧品、健康食品会社にてスタッフ育成、その後美容皮膚科にて運営、企画を行う。株式会社Luceでは健康、医療情報メディカルアカデミーを担う。
<Edit:編集部>