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2023年6月7日

ヨガのダイエット効果を専門家に聞いてみた。痩せる、過食や食欲が収まるってホント? (1/2)

「ダイエットをしたい」「身体を引き締めたい」。そんなとき、運動不足解消のひとつとしてヨガを選ぶ女性は多いでしょう。大人の習い事としても定番で、中にはヨガ教室に通ったら痩せたなどという声もチラホラ聞きます。

たしかにストレッチ効果は高そうですが、ゆっくりと呼吸しながらポーズをとり、瞑想するイメージが強く、有酸素運動のように脂肪を落とす痩身効果はないのでは……と思う部分も。

はたしてヨガにエクササイズ効果は期待できるのでしょうか? ヨガとダイエットの関連性を探ってみました。

「ヨガで心を落ち着けると過食が防げる」は本当か

痩せたいと思ったときに、ヨガに通い始める人は多いと聞きます。しかし、ヨガにダイエット効果はあるのでしょうか? 

「オンフルールヨガスタジオ&カレッジ」銀座本校でシニアインストラクターを務める、白石久美さんに聞きました。

ヨガの本来の目的とは

「ヨガ本来の目的は、瞑想によって心の内側を静かにし、生きることの辛さや苦悩から逃れることにあります。瞑想を重ねるうちに、本来の自分の姿が見えてきて、本当の気持ちや願望に気づくことができます。それによって穏やかに過ごせるようになるのが、ヨガの一番のメリットです」(白石さん)

ダイエットとはまったく関係なさそう……と思うなかれ。白石さんによると、ヨガを通して「健康的に痩せる」ことが期待できるようです。

過食の原因である“心”にフォーカスできる

「まず、瞑想によって心が落ち着くと、ストレスを感じにくくなるので、ストレスによって過食しやすい方は食事量が減っていきます。また、心のなかに眠っていた『本来の自分』に気づくと、体を大事にする意識が高まります。結果的に、体によいものを欲するようになり、食べるものや食べ方自体が変化するんです」(白石さん)

ストレスを強く感じたとき、つい「食べて解消」する癖のある人は多いもの。ストレス要因が一時的なものではなく、長く続くと過食習慣から抜けられず、太りすぎてしまった……という場合、ヨガの瞑想体験や呼吸法を通して感情の安定感を得ることで、過食が減って痩せることがあるそうです。

「ただし、あくまで『健康的な体作り』であって、決してモデルのように細くなるという意味ではありません。心身ともに落ち着くと、生きるために必要なものを、必要なだけ食べられるようになるので、適正体重に落ち着いていきます。適正体重とは、本来の自分が元気に生きていくために必要な数値であり、体型であるということ。そのため、栄養不足による拒食状態に陥っていた方は、体重が増える場合もあります」(白石さん)

ヨガのポーズを取ることで、しなやかな筋肉を身につける!

さらに、さまざまなポーズを習得するうち、筋肉が鍛えられてボディラインが整うそう。

「筋トレのように強い負荷をかけて上腕二頭筋(いわゆる力こぶの筋肉)や大腿四頭筋(前もも)を鍛えすぎると、人によってはたくましく見えてしまうことも。ヨガでは各ポーズを取るとき、強く筋肉を緊張させるのではなく、内側にある筋肉を細く長く伸ばすようにキープします。そのためインナーマッスルを中心に鍛えられ、ムキムキにならずに、しなやかな筋肉を養うことができるんですよ」(白石さん)

二の腕の後ろ側にある上腕三頭筋、太ももの内側にある内転筋も鍛えることで、腕や脚はすらっと細く見えるように! 

また、体勢をバランスよくキープするために体幹が強くなり、自然とボディラインが整っていくそうです。ピラティスのような姿勢改善も期待できるのですね。

各部位に効果的なヨガポーズをいくつか解説してもらいました。

ボディラインを整えるヨガのおすすめポーズ

鷲のポーズ

効果的な部位:二の腕、背中

「肘から手首、両手までを絡み合わせるポーズです。肩甲骨から二の腕の下側までを引き締めるのに最適。同じように両足も絡ませると、内ももを鍛えられます」(白石さん)

椅子のポーズ

効果的な部位:内もも、お腹

「空気椅子に似たポーズです。両腕を上げた状態で、膝を直角になるまで曲げてキープ。内転筋をくっつけておこなうことで、効果的に鍛えられます」(白石さん)

チャトランガ・ダンダアーサナ(四肢で支える杖のポーズ)

効果的な部位:二の腕、お腹

「腕立て伏せに似たポーズです。お腹と背中は平らのまま、脇をしめて肘を直角に曲げた状態でキープします」(白石さん)

橋のポーズ

効果的な部位:お腹、お尻、背中

「仰向けに寝て、お尻と背中を持ち上げます。お腹も使うことでお腹周りを鍛えられるほか、お尻の下側の筋肉も使うのでヒップアップ効果も」(白石さん)

猫のポーズ

効果的な部位:背中、お腹

「背中が硬くなっている人は多いので、ほぐしたいところ。四つん這いになり、背中を伸ばしたり縮めたりします。お腹周りにも効果的」(白石さん)

木のポーズ

効果的な部位:お腹、下半身

「片方の膝を曲げて、片足で立つポーズです。片足の体勢をキープするために、体幹をしっかり使います」

 そういえば、暖かい環境で行うホットヨガのほうが痩せやすいのでしょうか?

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