ライフスタイル
2017年8月28日

“朝活カヌー体験”でエクストリーム出社!都市型アウトドアに挑戦

 出勤前の時間を利用して本格的なスポーツや料理、海水浴、登山などに取り組む、“エクストリーム出社”や“朝活”という言葉が定着してきました。言葉自体は一時の流行であったしれませんが、早朝のアクティビティを楽しむ習慣は、徐々に浸透しているように思います。

 そんな朝のアクティビティの選択肢として提案したいのがカヌーです。アウトドアツアーを主催する「Outdoor Sports Club ZAC」では、なんと東京スカイツリー近くを流れる旧中川で早朝カヌー体験ができます。

エクストリーム出社の朝活カヌーは7時集合

 “朝のカヌー体験”は通常朝7時集合。集合場所は都営新宿線東大島駅から徒歩で10分ほどのところにある、大島小松川公園の駐車場です。取材日は適度な晴れ間がのぞく、気持ちの良い気候でした。まさにカヌー日和で気持ちが高まります。

 公式ホームページで指定されている持ちものは、サンダル、帽子、レインウェア。このうちレインウェアは主に雨天時や防寒用なので今回は用意せず、代わりに七分丈のズボンと、中は念のため水着のパンツを履きました。上着は濡れてもいい化繊生地の服装ということでしたが、夏場のオススメというラッシュガードを着用。これにレンタルのライフジャケットを羽織ります。料金はガイド代・カヌーレンタル・パドル・ライフジャケットレンタル含み、大人(1人参加)6,500円。

 今回のカヌー体験を担当してくれたOutdoor Sports Club ZAC代表 深澤幸夫さんに聞いてみると、準備はこれで十分とのことでした。

 ただ、何度か乗るうちに慣れてくると、油断してライフジャケットを着なかったり、綿素材などの泳ぎに不適な服装で来てしまう人もいるとのこと。安全のため必ず水中で動きやすい格好をしましょう。

準備運動とパドリングのレクチャー

 まずは2人でカヌーを持って川辺へ移動。カヌーはそれほどの重量はなく、あまりに非力というわけでなければ、女性でも十分に運べるように感じました。

 カヌーに乗る前には、身体をほぐしておくための準備体操を行います。これは上半身を中心としたストレッチ運動を数パターンやったのみで、ほんの軽いものでした。今回は激流をぬっていくようなスポーツ・カヌーではないので、この程度で大丈夫なようです。

 準備運動の次はパドリングのレクチャー。パドルの使い方について前進するための動き、バックおよびストップするための動きを教わりました。この動きは深澤さん曰く“ドアを開閉するときの動き”ということ。まずは、ドアノブを持って腕を前に出すような動きで、パドルを前方に持っていきます。さらに、そこからドアノブを手前に引くときのように、肘を曲げてパドルを戻せばOKです。

いよいよカヌーに乗船、すぐに漕ぎ出せた!

 パドルの動きを教わると、ついにカヌーに乗船です。“朝のカヌー体験”で用意されているのは、フォールディング・カヤックという非常に安定感の高いモデル。もちろん転覆しないように乗船時の過度な動きは禁物ですが、少々の揺れでは引っくり返らないということは、乗ってみてすぐにわかりました。

 さっそく漕ぎ出してみると、ゆっくりながら簡単に前に進むことができます。「カヌーってひょっとして簡単!?」と自惚れていると、後ろから別のカヌーに乗った深澤さんがスーッと前に出ていきました。頑張って漕いでいる感じはまったくなく、とても華麗な動き。当たり前ですが、追いつける気がしません。

 まずは練習として橋と橋の間を往復します。今回カヌー体験をした旧中川は、ほとんど流れを感じません。おそらく、ちょっと流れがあると慌ててしまったと思いますが、そんな心配はまったく無用。気候が良ければ安心して、自分のペースで漕ぐことができます。

 川からやってくる涼しげな空気はとても爽快で、これだけでも夏はカヌー通いしたい気分になりました。大きな船に乗るわけではなく、川面が間近だからこそですね。

ガンガン漕いでも川上でのんびりでもOK

 前進・停止・バックの基本的な動きができると、あとは自由に漕いでいけます。もちろん、もっとスポーツ的に練習したい人には、さらなる指導をしてくれますが、川の上でのんびりしたいのであればそれも良しということでした。

 ちなみにスポーツ的に見ると、カヌーはけっこうな全身運動です。上手に漕ぐには腰の動きが必要となり、上半身全体を使う印象なので、カヌーで一汗かきたいという人にも十分に応えてくれると思います。

 深澤さんによると、のんびり過ごしたいという人もかなり多いそうです。漕ぐのはそこそこに川の上でまったりするのは、とても気持ちの良い時間でした。川の中を見るとハゼがたくさん泳いでいましたし、時には鵜がやってくることもあるなど、意外な自然スポットでもあるとか。

 取材日は真夏だったため少し川が濁っていましたが、汚いという感じはありませんでした。特に秋冬には透明感のあるとてもキレイな川になるそうです。春には桜、秋には紅葉を見られるそうなので、四季を感じながらカヌーを楽しむのも面白そうですね。

レジャー・カヌーの楽しさを発見

 こうして1時間程度でカヌー体験は終了。朝8時頃になるので、それからの出社で十分間に合う人も多いと思います。少し歩いたところに公営のプールがあるので、9時を過ぎればそこでシャワーを浴びることもできます。

 貸してくれるカヌーはとても安定感のあるものなので、慎重に漕いでいれば水をかぶることもなさそうでした。であれば、濡れタオルで汗を拭く程度での出社も可能でしょう。

 2016年のリオデジャネイロ・オリンピックで羽根田卓也選手が、日本人初となるカヌー競技でのメダリストとなり、にわかにスポーツ・カヌーへの注目も高まりました。一方で、カヌーというのは羽根田選手のように激流をくだるスポーツというイメージがつき、ちょっと敬遠してしまう人もいるのだとか。

 ただ本来、カヌーというのは乗り物のことであり、使い方は人によってさまざま。運動や競技として乗る人もいれば、レジャーとして乗る人もいます。個人的には今回、そのレジャーとしてのカヌーの楽しさや可能性を垣間見られたのが収穫でした。防寒していれば冬でも乗れるので、意外にもオール・シーズン楽しめてしまいます。

 Outdoor Sports Club ZACでは、ほかに旧中川をのぼる“東京スカイツリーカヌーツアー”や、運河をめぐるロング・コースのツアーなどもあるので、興味のある人はぜひチェックしてください。

<協力>
Outdoor Sports Club ZAC
http://www.zacsports.com

<Text:江古田透(H14)/Photo:関川真佐夫>