ライフスタイル
2025年8月1日

男の子のデリケートゾーン、洗うだけじゃダメだった?親も見落としがちな「意外な新常識」 (2/2)

見た目に変化はないが……「見逃しがちなサイン」に注意!

皮膚の赤み、痒み、痛み……見た目の異常だけでなく、「ムズムズする」「違和感がある」といったお子さんの言葉にもしっかり耳を傾けてほしいと、平山先生は言います。

お子さんのデリケートゾーンに、以下のようなサインは見られませんか?

  • おむつかぶれのような赤みがある
  • 包皮や亀頭に炎症(赤み)が生じている
  • お子さんが痒がったり、痛みを訴えたりする

これらのサインが見られた場合、まずは「保湿」や「抗炎症成分を含むケア」が基本となります。

とくに注意が必要なのは亀頭包皮炎。炎症やかゆみだけでなく、見た目には異常がなくても不快感がある場合もあるとのこと。

「“見た目に異常がないから大丈夫”は危険です。子どもなりに恥ずかしさを感じて言い出せないこともあります。だからこそ、親の目と声かけ、そして日々のケアが大切です」(平山先生)

保湿ケアは「見えないトラブル」を防ぐ手段に

洗うだけでなく、保湿クリームを使ってバリア機能をサポートすることが、トラブルの予防に大きく役立ちます。

赤ちゃんのスキンケアと同じように、男の子のデリケートゾーンも“ケアする部位”として捉えることが、親としての新しい常識になってきているのです。

デリケートゾーンケアを習慣化することは、「セルフケア能力」を育むことにも繋がる

秀和製薬 代表取締役社長・平山和秀(カズ博多クリニック院長・泌尿器科医)

――「包茎」という言葉を聞くと、ドキッとするママもいるかもしれません。漠然とした不安を感じたり、「うちの子は大丈夫かしら」と心配になったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この「包茎」に対する正しい知識を持つことが、何よりも大切なんです。

まず知っておいていただきたいのは、生まれたばかりの男の子のほとんどは「生理的包茎」であるということです。これは成長とともに自然に剥けていくのが一般的で、「包茎=悪いこと」というわけではありません。

しかし、先ほどもお話ししたように、第二次性徴を過ぎても包皮が自然に剥けない場合、つまり「真性包茎」や「包皮輪狭窄型包茎」(※)といった状態が続く場合には、洗浄だけでは解決が難しく、将来的に手術が選択肢になることもあります。

この「包茎に対する正しい知識」を得ることも大切だと考えています。そして、男の子のデリケートゾーンケアを、特別なことではなく、日常のスキンケアとして定着させていきたいですね。

デリケートゾーンケアを日常のスキンケアとして定着させることは、お子さんが自分の身体に意識を向け、健康管理への関心を高めるきっかけになります。これは、幼い頃からの「セルフケア能力」を育むことにも繋がります。

自分で自分の身体を清潔に保ち、健康な状態を維持する。この習慣は、一生涯にわたる財産となるでしょう。

今日から、お子さんの「大切な場所」に、もう少し意識を向けてみませんか? その小さな一歩が、きっとお子さんの大きな未来につながるはずです。

(※)包皮輪狭窄型包茎:仮性包茎の一種で『通常時は包皮を剥いて亀頭をスムーズに(もしくはなんとか)露出できるものの、勃起時は締め付けが強く剥けない、もしくは剥きにくい』状態

<Edit:編集部>

1 2