
親に放置されて育った大人に共通する特徴とは。どんな性格になりやすい?男女別に解説 (3/5)
「存在を認めて貰えていない」と感じてしまう――深刻なケースに見られる影響
子ども時代に親から極端に放置され、「そこにいても誰にも気にかけてもらえない」という経験を重ねると、自己肯定感の低さを超えて、「自分は存在する意味がない」と感じてしまうほど深刻な影響が残ることがあります。
こうした人は、大人になっても「生きている実感」や「喜び」を感じにくく、どこか浮いているような感覚(浮遊感)を抱えて日々を過ごしていることがあります。感情が麻痺したようになり、怒りや悲しみ、喜びすら感じにくい。何かをしても虚しさが残るといった状態です。
また、目標や人生の目的を見出せず、慢性的な無気力感や抑うつ状態に苦しむケースも見られます。他者との共感が難しくなり、孤立を深めてしまうこともあるでしょう。
男女で差はある? こんな傾向の違いが現れやすい
大人になって現れるこうした問題。男女で特徴に差はあるのでしょうか。
男性は「一人で完結」傾向に
放置された経験を持つ男性は、他者との関係性に価値を見出しにくくなる傾向があります。何かあっても「人に頼る」という発想がそもそもなく、自分の内側ですべて処理しようとすることが多いのです。
まるで“一匹狼”のように、感情や悩みを他者と分かち合う機会がほとんどない状態になっている場合もあります。他者とのつながりを避けるぶん「自分の正しさだけ」を拠り所にしやすく、対話や協調が苦手になりやすい面もあります。
単なる「感情表現の苦手さ」にとどまらず、幼少期の放置によって人への信頼や共感を育てる土台が築けなかったことが背景にあると考えられます。
女性は「依存気味、他者優先」に
一方で女性は、パートナーからの愛情を強く求める傾向が出やすいと言われます。
小さい頃に満たされなかった愛情を埋めるように、恋人や夫に依存しすぎてしまったり、「嫌われたらどうしよう」という不安を抱えてしまったり。
結果として、自分の意見を抑え込み、相手を優先してしまう人も少なくありません。
ネガティブなだけじゃない、強みになる側面もある
放置された経験は決して軽いものではありませんが、それを乗り越えて育った人には強さも備わっています。
- 自立心が強い
- 困難に立ち向かう力がある
- 人の気持ちに敏感で、思いやりがある
こうしたポジティブな性質を持つ人も多く、実際に「自分で自分を育て直す力」が身についていることが大きな強みになります。
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