
親に放置されて育った大人に共通する特徴とは。どんな性格になりやすい?男女別に解説 (5/5)
専門家がアドバイス! 放置されて育った大人がこれからを心地よく生きるために
鎌田さん:他者との交流、他者からの介入に対して疲れやすかったり、不快感を抱きやすい心の癖がついているので、1人でいることがもっとも安全で心地よいと感じているのではないでしょうか。
このような境遇の人と関わる際には、当事者にしかわからない孤立感・寂しさ、そして1人でいる安心感があることを、周囲は理解しておく必要があります。良かれと思ってにぎやかな場所に何度も誘い出すことは、ストレスを与えることにつながる場合もあり、孤立を強めることもあります。
まずは本人が自分の境遇を認識・理解し、そんな自分を変えたいと思えているかどうかが大事になります。
結婚や子どもの出生が、生きづらさを感じるようになるきっかけの一つに挙げられます。パートナーや子どもとの関係で変化することもできますが、その時は強いストレスを感じやすく家族関係が悪くなる可能性があるかもしれません。
理想的なのは、結婚前に自分の課題に向き合い、問題を解決しておくことです。それは、学生時代の部活やサークル活動やバイト、社会人になってからの仕事を通してでもできます。
他者と関わると、どんな場面でどんな不快感やトラブルが生じるのかを理解し、解決する経験を重ねておくといいですね。そのためには、自分の理解者を増やしておくことがポイントになります。
それ自体難しいことではありますが、頼れるカウンセラーなどの専門家を見つけておくのもいいでしょう(トラウマやアタッチメントを専門にしている専門家がおすすめです)。もちろん、結婚してからでも取り組めます。まずは、本人がどんな気づきを得て、どうなりたいか…を認識することが重要です。
このような境遇の人は、会話に交わっていなくても“みんなと同じ場にいるだけ”で満足していることもあります。何かトラブルが起きているわけではないけれど、距離を置きたい・ひとりになりたいと思うときがあります。
周りに気を遣われるようなときには「十分楽しんでるよ」「雰囲気を楽しんでる」と一言言えるといいですね。
また、ひとりの時間を大事にすることも、他者と過ごす時間を楽しむためには必要です。
「自分はひとりの時間が必要なタイプなんだ」「少しひとりで休むね」など、ひとりになることを前向きに捉え、周りに伝えられるようになっておくと、ずいぶん心地よく生きることができるのではないでしょうか。
過去は変えられないが、今からは変えられる
子ども時代に環境を選ぶことはできませんでした。しかし今は、自分のための選択をする力があります。大切なのは“過去ではなく、これからどう生きるか”に目を向けることです。
監修者プロフィール
鎌田怜那(かまだ・れいな)
一般社団法人マミリア代表理事。臨床心理士、公認心理師。
【所属学会・協会】
・日本臨床心理士会
・日本公認心理師協会
・日本心理臨床学会
・日本アタッチメント育児協会
公式サイト https://mamilia.jp/
<Edit:MELOS編集部>