ヘルス&メンタル
2025年11月18日

「モラハラする父親がいた家庭」で育った人の特徴とは。大人になってどんな影響が出やすい? (2/3)

なぜこうした特徴が出てくる? 大人になってから現れる心の後遺症

では、なぜこうした特徴が現れるのでしょうか。それは、子ども時代に「安心・尊重・自由」を感じられなかったことが深く関係しています。

自己主張をするとイヤな目に合ってきたから

モラハラ家庭では、親の意見や感情が常に優先され、子どもは「自分の気持ちは間違っている」「口答えは悪」と学ばされます。

「反論すると怒られる」
「感情を出すと嫌われる」
「我慢していれば平和に過ごせる」

こうした経験が繰り返されることで、自己主張や感情表現を抑えるクセが無意識に染みついていきます。

安心・尊重・無条件の愛を経験できなかったから

子どもが健やかに育つためには、「どんな自分でも受け入れてもらえる」「失敗しても愛されている」という感覚が必要です。

しかし、モラハラ父親のもとでは、「成績や成果でしか認められない」「失敗や弱さをバカにされる」「無視・威圧・皮肉などで心が傷つけられる」といった体験が日常的に起こります。

その結果、「ありのままの自分では価値がない」と思い込んでしまうようになります。

幼少期、「親に甘えられなかった人」にはどんな特徴がある?大人になってからこんな“反動”も

“緊張した環境”が当たり前になっているから

モラハラ家庭では、家の中が常にピリピリしていて、父親の機嫌で空気が変わる、いつ怒鳴られるかわからないといった状態が続きます。

その中で生き延びるために、子どもは表情や空気を読んだり、自分の気持ちを殺したりといった“過剰な適応”を身につけます。

それが大人になっても続き、人間関係の中で自然に振る舞えなかったり、常に気を張って疲れたりしてしまうのです。

「自分を責めれば安全だった」過去のパターンが残っているから

子どもにとって、親との関係は生きる上で絶対的です。だからこそ、「親が理不尽だった」と考えるより、「自分が悪いんだ」と思った方が安心できた、という面もあります。

その思考パターンが残っていると、失敗すると「自分のせい」、トラブルが起きると「私が悪かったかも」と、自責のクセが染みついてしまいます。

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