インタビュー
2018年11月26日

リンクで大泣きしていた子ども時代、泣いたからこそ「がんばろう」と思えた。プロフィギュアスケーター村上佳菜子(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #18 (3/3)

新しい表現の世界にチャレンジしていきたい

――将来、子どもが生まれたら習わせたいことはありますか。

クラシックバレエを習わせたいですね。バレエは姿勢がよくなりますし、姿勢がいいとオーラも出るように思うんです。自分の子どもには品のあるオーラを持ってほしい。自分が持っていないので(笑)。スケートはやらせたくないですね。自分の子どもにはこの苦労はさせたくないな、と。

グローバルな性格になってほしいので、英語も習わせたい。私は英語をまったくしゃべれないんです。遠征のときは、こういう性格なので、フィーリングやジェスチャーで会話(笑)。まったく習ってないわりにはわかるほうかもしれません。

――今はプロとしてアイスショーで活躍されていますが、これからやってみたいことはありますか。

たくさんやりたいことがあります。引退して自由になって、これもやりたい、あれもやってみたいという感じ。表現することが大好きなので、氷ではないところでも表現してみたいですね。高橋大輔選手の「LOVE ON THE FLOOR」のようなダンスパフォーマンスの舞台にも惹かれますし、浅田舞さんも女優として舞台に出演してらっしゃっていて憧れます。先輩たちが少しずつ道を作ってくれているのでありがたいですね。

英語も習いたいし、体を動かすこともしたい。今、ボクシングを習っています。ヨガも行こうかなと。バラエティ番組のお仕事も楽しいです。自分では意識していないんですが、表情がコロコロ変わるみたいなんです。それは、スケートに活かすために表情のトレーニングとしてパントマイムをやった経験があるからだと思います。まさかここで生きてくると思わなかったんですけど、点と点がつながりますね。

いろいろな経験を積むことで、アイスショーでの表現の幅も広がると思う。若いころにはできなかった表現ができたらうれしいです。

――プロフィギュアスケーターと選手時代とではスケートに向かう気持ちは違いますか。

全く違いますね。選手のときは自分の100%より上を目指すため、挑戦、挑戦の毎日。今は自分の100%を落とさないように支え続ける毎日。それも難しいですね。しかも、選手時代はスケートのことだけを考えられたけど、今は他のお仕事もあるので、練習できない日もありますし、できても1時間が精いっぱい。維持し続けるのも大変。引退からちょうど1年経って壁にぶつかって悩んでいる最中です。

ただ、試合は技術と芸術、両方揃っていないとなりませんが、アイスショーはどれだけ人を感動させられるかが勝負なので、苦手なジャンプにとらわれなくてもいいかなと思うようになりました。自分の強みを生かした新しい世界を切り開き、観客の皆さんを感動させられるような演技をして、後輩たちも安心してプロの世界に進めるようにしていきたいですね。そしてスケートに恩返しがしたいと思います。

関連記事:体操、バレエ、ダンス。すべてはフィギュアスケートのためでした。プロフィギュアスケーター村上佳菜子(前編)

[プロフィール]
村上佳菜子(むらかみ・かなこ)
1994年生まれ、愛知県名古屋市出身。スケートをしていた姉の影響で3歳からスケ-トを始める。2009年JGPファイナルで優勝。2010年に世界ジュニア選手権優勝。2010年~2011年シーズンGPシリーズアメリカ杯で優勝し、グランプリファイナルでは銅メダルを獲得。2013年の全日本選手権で総合2位となり、2014年ソチオリンピック出場。同年の四大陸選手権で初優勝、世界選手権は5年連続5回の代表入り。2017年競技生活から引退を表明。現在はプロフィギュアスケーターとしてアイスショーで活躍。また、タレントとしても日本テレビ「メレンゲの気持ち」のMCを務めるなど、テレビ、イベントなどで活動中。

<取材・撮影協力>
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[営業時間]11:30~22:30(L.O.)
[電話番号]03-6434-9430
[公式サイト]http://nk-yoomi.jp/

<Text:安楽由紀子/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:小島マサヒロ>

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