インタビュー
2018年2月14日

女子高生スケーター中村貴咲「期待に応えるために、何か残したかった」(前編)| サキドリ!ROAD TO 2020 (2/2)

そうですね。その頃は父親が中心となって動いていたので。「もう無理!」って言っても「何が無理やねん」と返されて絶対にやめさせてくれなかったです。だから、モチベーションが全然あがらないことが一時期ありました。

アメリカ遠征での経験が自分の行く道を決定づけた

——では、現在のように活発的に活動するようになったのは何か転機があったのでしょうか?

中学1年生の頃に仲間たちとアメリカへ遠征に行ったんです。そのときに現地の人と連絡先を交換したんですけれど、その中に憧れの大会でMCを務める方が偶然いて。帰国してからメールでやりとりしていたら「練習動画を見せてほしい」と言われて、いくつか送ってみたら大会出場の切符をもらえたんです。そのときの大会で運良く2位に入ることができて。

——いきなり2位はすごいですね。

そこからですね、意識が変化したのは。海外の大会にも積極的に参加するようになりました。

——何が大きく変化したのでしょうか?

アメリカという大きな舞台で戦えることになったので、自分自身も変わらないといけないと思うようになったんです。それに海外に行くとなると、交通費や宿泊費とかお金が必要じゃないですか。それでも両親は何も言わずに支えてくれたので、私も何か結果として残さなきゃいけないなって。

——海外に出ることによって精神力が鍛えられたんですかね。

アメリカに行くようになってから4年くらいは経つし、今ではかなり成長したと思います。

——スケートボード選手はみなさん仲が良さそうですよね。

そうですね。池田大亮くんとか堀米雄斗くんとか13歳くらいからの付き合いです。特に種目の壁もないですし。2017年のX Gamesで優勝した(芝田)元くんなんかは、いつもここで練習してますし。

——芝田選手がX Gamesで披露した「神風」という技はすごかったですね。

あれ、やばいですよね。初めて乗ったのを見たときはマジで驚きました。しかも、いつも練習で失敗しているのにあの大舞台で成功したのがもうわけわかんなかったです。

▼後編はこちら

女子高生スケーター中村貴咲「カルチャーとして、スケートボードを広めたい」(後編)| サキドリ!ROAD TO 2020 #3 | 趣味×スポーツ『MELOS』

[プロフィール]
中村貴咲(なかむら・きさ)
2000年生まれ、兵庫県出身。6歳の頃、地元神戸の『“g”スケートパーク』でスケートボードを始める。2016年6月4日、X Games(エックスゲーム)オースティン大会スケートボード競技においてアジア人初となる金メダルを獲得。以降も世界各国の大会で華やかな成績を残し続ける。2020年の東京五輪では、金メダル候補として注目が集まっている。

<Text:石川優太/Edit:村上広大/Photo:西澤智和>

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