インタビュー
2018年2月19日

女子高生スケーター中村貴咲「カルチャーとして、スケートボードを広めたい」(後編)| サキドリ!ROAD TO 2020 (2/2)

私自身、最近になって筋トレを始めました。これまではそんなに筋肉とかは必要ないかなと思っていたんですけれど、海外の選手はけっこうやっているみたいなので。そこで差がついているのかなと思う節もあるので、トレーナーをつけて体幹を中心に鍛えるようにしています。

——東京五輪まであと2年です。今後に向けて準備していることはありますか?

もちろん意識していないと言ったら嘘になりますが、それを目標にしてはいないんですよ。一般的に見れば『X Games』よりも大舞台だし、これをきっかけにスケートボードの注目度もさらに高まると思います。でも、五輪の場合はあくまでも競技なので、私はもっとカルチャーとしてのスケートボードの魅力を伝えていきたいなって思っています。

——選手同士でそういった話もするのでしょうか?

全然ないです。「なんか大変やな」みたいな(笑)。でも、これをきっかけに大きな企業がスポンサーについてくれることもあるだろうし、そこは感謝しています。

スケートボードは地道な練習を楽しめるかが上達のコツ

——では最後に、これからスケートボードを始めようと思ってる人にアドバイスをお願いします。

まずは、友達同士で楽しんでほしいです。私も最初は怖かったんですが、スクールの友達と滑るのが楽しくて続けてこれました。

——では、技を習得するコツは?

スケートボードって派手な印象が強いと思うんですけれど、練習はけっこう地味なんですよね。ほんとうに積み重ねが大切で、ひとつの技を成功させるにも膨大な時間が必要なんです。今はスマホで動画撮って、それでどこが悪いのかを客観的に考えながら細かく修正をしていくようにしています。

——中村さんが得意とする『ミラーフリップ540』という大技も地道な練習の成果なんですね。

それも先生が私のレベルを見て判断をしてくれました。「この子のレベルだったらこの技ができる」みたいな。反復練習の賜物なんですよ。

▼前編はこちら

女子高生スケーター中村貴咲「期待に応えるために、何か残したかった」(前編)| サキドリ!ROAD TO 2020 #3 | 趣味×スポーツ『MELOS』

[プロフィール]
中村貴咲(なかむら・きさ)
2000年生まれ、兵庫県出身。6歳の頃、地元神戸の『“g”スケートパーク』でスケートボードを始める。2016年6月4日、X Games(エックスゲーム)オースティン大会スケートボード競技においてアジア人初となる金メダルを獲得。以降も世界各国の大会で華やかな成績を残し続ける。2020年の東京五輪では、金メダル候補として注目が集まっている。

<Text:石川優太/Edit:村上広大/Photo:西澤智和>

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